平野歩夢スケートボード挑戦へ 東京五輪への道はどうなる?

[ 2018年11月13日 22:51 ]

会見に登場した平野歩夢
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 スノーボードの平野歩夢(19=木下グループ)が13日、東京五輪を見据えてスケートボードへの挑戦を明言した。スノーボードにも継続して取り組みながら、今後は4歳から始めた2つの競技を両立させていくことになる。

 「1つの挑戦として自分の成長のために頑張ろうと思う」。ただし「出るとか出ないとか考えてないけど」と注釈をつけ、東京五輪を目指すとは断言しなかった。それは平野自身がスケートボードの競技者としては未知数なこと、加えて東京五輪に向けた同競技の選考日程が確定していないことも理由かもしれない。

 東京五輪のスケートボードについてざっとおさらいしてみよう。男女のパークとストリートの4種目(平野が目指すとすればパーク男子)が行われ、それぞれ出場人数は20人。東京五輪直近の世界選手権(19年10月〜20年6月の間に開催予定)の上位3人がまず最優先で出場が決まる。

 続いて五輪ランキングによって上位16人が出場権を得る。同ランクは来年1月1日から20年5月31日までの成績が対象。19年シーズン(19年1月〜9月15日)の3大会、20年シーズン(19年9月16日〜5月31日)の6大会のポイントを合算しての争いとなる。日本人選手が漏れた場合は各種目ごとに最上位1人に開催国枠が与えられる。

 ポイント対象となるのは世界選手権や大陸選手権、各国のナショナル選手権に加えてプロツアーイベントとなっているが、日程が確定しているのは来年1月の世界選手権(バルセロナ)しかない。しかもこれはストリートの大会。国内の連盟関係者も「五輪までのロードマップが出ていないので、JOCなどに強化日程の申請が出せずに困っている」と頭を抱えているのが現状のようだ。平野が「具体的なスケジュールは正直決まっていません」と言うのも仕方がなかった。

 もっとも前人未到の世界を求める平野が、東京五輪出場以上に挑戦そのものに主眼を置いているのも確かだ。「挑戦する上では出なきゃいけない大会も出てくると思う。でもそのために、というのはあまり考えていない」。まずは自分がスノーボードとスケートボードに並行してどう取り組んでいけるのか。まずはそこから始まる。

 「両立しなきゃいけないならいろいろ大変だと思う。大会だけでなく練習もそう。うまくバランスを取らないと自分自身のバランスが崩れる可能性もある」

 まずは12月のDewツアーで、スノーボーダーとして新しいシーズンがスタートする。雪上で時間を過ごし、スケートボードの大会日程が固まってくる頃には、「今まで以上に大きなことを考えていけたら」という平野の夢もよりはっきりと固まってくるのではないだろうか。

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2018年11月13日のニュース