西岡 ツアー初V!日本人男子5人目 左膝大ケガから見事復活

[ 2018年10月1日 05:30 ]

男子テニス 深センオープン最終日 ( 2018年9月30日    中国・深セン )

深センオープンでツアー初優勝しトロフィーを掲げる西岡
Photo By 共同

 シングルス決勝で世界ランキング171位の西岡良仁(23=ミキハウス)が日本男子5人目のツアー優勝を飾った。同67位のピエールユーグ・エルベール(27=フランス)を7―5、2―6、6―4で撃破。昨年3月の左膝前十字じん帯断裂の大ケガから見事に復活を果たし世界ランクもトップ100返り咲きを決めた。1日開幕の楽天ジャパン・オープンでは1回戦でニック・キリオス(23=オーストラリア)と対戦する。

 「ニシコリじゃなくニシオカです。覚えておいてください」。優勝スピーチの最後に笑って付け加えた。初優勝の晴れ舞台。海外では間違われることも多かったが、ここぞとばかりに自分の存在をアピールした。

 名前だけじゃない。試合ぶりも淡々とした錦織とはまるで違う。喜怒哀楽むき出しでリアクションはデカめ。この日も両手を合わせて天にお祈りする姿に、中国のファンからも笑い声と「ガンバレ!」の声援が飛んだ。ツアー初の決勝戦は、予選からの勝ち上がりで8日間ですでに7試合目。「今日はかなり緊張しながらテニスをしていた。その中でつかんだ勝利は本当にうれしい」

 第1セットを先取して第2セットも第1ゲームでブレークした。ところが第3ゲームから7ゲーム連取される劣勢を、最終セットではね返した。通算5本目のマッチポイントで勝利を決めると、叫び、ひざまずき、両手で顔を覆った。パワーはなくても左利きの特長を生かし、手だれの技術と駆け引きはピカ一。ツアーで最小兵の部類に入る1メートル70の体に感情をみなぎらせ、最後まで戦い抜いた。

 世界ランクで自己最高を更新していた昨年3月に左膝前十字じん帯を断裂した。今年1月に復帰したが、4月には380位まで後退。その間に杉田やダニエルらが先に初優勝を果たした。しかし、この初優勝でランキングはトップ100に再浮上。「ケガはもちろんタフな期間だったけど、あれを乗り越えたからこそ今がある」。盛り上がる日本テニス界に楽しみな役者が戻ってきた。

 ◆西岡 良仁(にしおか・よしひと)1995年(平7)9月27日生まれ、三重県津市出身の23歳。テニススクールを経営する父・範夫さん(57)の影響で4歳からテニスを始める。中学3年で渡米し、錦織圭と同じIMGアカデミーに在籍。14年1月にプロ転向し、同年のアジア大会で日本男子40年ぶりの金メダル。憧れは元世界1位のマルセロ・リオス(チリ)。乃木坂46の西野七瀬のファン。1メートル70、64キロ。左利き。

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