貴乃花親方の退職決定 臨時理事会、力士らの移籍承認で貴乃花部屋は消滅

[ 2018年10月1日 13:42 ]

貴乃花親方
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 日本相撲協会は1日、臨時理事会を開き引退(退職)届を提出していた貴乃花親方の退職を承認し、貴乃花部屋所属の力士、床山、世話人の千賀ノ浦部屋への移籍を承認した。これにより貴乃花親方の実父、故二子山親方(元大関・貴ノ花)が1982年に創設した旧藤島部屋の流れをくむ貴乃花部屋(04年に二子山部屋から継承)は消滅することになった。

 貴ノ花親方は03年に現役を引退した後、10年の相撲協会理事選挙に出馬し当選。大阪場所担当、審判部長、総合企画部長などを歴任した。しかし、昨年の元横綱・日馬富士による弟子の幕内・貴ノ岩への傷害事件の対応を巡り相撲協会と対立し、今年1月に理事を解任されていた。

 さらに初場所後の相撲協会の役員改選に出馬したものの落選。その後、相撲協会の処分に異議を唱え内閣府に告発状を提出していた。だが、3月の春場所で弟子の幕下(当時十両)、貴公俊が支度部屋で付け人に暴行し、その責任を取って告発状を取り下げ、一兵卒から再出発することを表明。一方で、相撲協会からは師匠としての責任を問われ平の年寄への降格処分を受けていた。3カ月で相撲協会のNo.3から、序列で88番目への5階級降格だった。

 5月の夏場所からは審判部所属の親方として職務に当たった。また、貴乃花一門(阿武松グループ)を離れ無所属の親方となった。ところが、相撲協会が7月の理事会で、全ての親方は出羽海一門など5つの一門に所属しなければならず、無所属の親方を認めないことを決定。これを受け、阿武松グループは旧所属の二所ノ関一門に合流した。

 その一方で貴乃花親方は告発状の内容を全否定しなければ、一門に合流できないとの有形、無形の要請を受けたという。それを認めることはできないとして、9月25日に相撲協会に引退届を提出。同日開いた会見で「告発状の内容は事実。それを事実無根とは認められない。このままでは弟子が安心して鍛錬し精進することができない。知らず知らずのうちに萎縮してケガをすることは避けたかった」と退職に至った理由を明かしていた。

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