貴景勝「自分の幹は貴乃花親方」、師匠引退表明後初のコメント

[ 2018年10月1日 05:30 ]

元横綱・日馬富士引退相撲で勢(左)を攻める貴景勝(撮影・西海健太郎)
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 小結・貴景勝(22)が30日、東京・両国国技館で行われた元横綱・日馬富士の引退相撲に参加し、師匠の貴乃花親方(元横綱)の引退について初めて胸中を吐露した。29日に代理人弁護士を通じ、貴乃花親方が力士らの所属先変更願を再提出したことを受け、日本相撲協会は1日、臨時理事会を開く。承認されれば貴乃花部屋は消滅。貴乃花親方の引退届は書類の不備で受理しないとしているが、退職も決まる見通しだ。

 取組前の支度部屋。貴乃花親方の引退について聞かれた貴景勝は、表情を曇らせ重い口を開いた。「相撲を頑張らなくちゃ。頑張るしかないんで。自分にできることは相撲を頑張るしかないと、改めて思いました」と“頑張る”を何度も繰り返し胸の内を明かした。

 師匠から決意を打ち明けられたのは会見の朝だった。「(親方の)意思を引き継ぐことは自分にもできることですし、決まったことより、これからどういうふうに師匠の弟子として頑張っていこうかなと」。一言一言かみしめるように話した。

 貴乃花親方は会見で自ら身を引くことが、弟子たちのためになると判断したことを引退の理由に挙げていた。

 「それを聞いた上で、土俵で一生懸命活躍することが師匠への何よりの恩返しになる」と絞り出すように話した。既に気持ちは切り替えられているのかとの質問には「落ち込んでいないわけじゃない。でも、じゃあ(自分は)何ができるねん、と。(師匠の決断に)軽はずみに自分が口を出すことはできない」と話した。

 小学生の頃から貴乃花部屋の相撲教室などに参加し、師匠の指導を受けてきた。2人の間には、その月日に培われた強い絆がある。「小さい頃から貴乃花親方についていくと思ってこの世界に入った。新しい部屋(千賀ノ浦部屋)になるからには、向こうの部屋の方針に対応していかないといけない。でも心の中では貴乃花親方の根本的な教えを忘れず、しっかり自分の幹として叩き込んでいかないといけないと思います」と前を向いて語った。

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2018年10月1日のニュース