【林享の目】パワーと技術が融合の池江 世界記録も視野

[ 2018年8月12日 09:48 ]

競泳パンパシフィック選手権第3日 ( 2018年8月11日    東京・辰巳国際水泳場 )

歴代4位の56秒08、日本新記録で優勝した池江(手前)
Photo By 共同

 池江はラスト10メートルでバテたにもかかわらず、56秒08の日本記録は素晴らしい。90メートルまでの泳速はかなり上がっていたということだ。本格的に筋力トレーニングを始めて、確実にパワーがついている。それが元々持っている技術力にうまく生かされている。

 タッチは2度とも少し流れた印象だ。そこを合わせられれば、55秒台はすぐに出せる。前半50メートルの25秒89はかなりハイレベルなラップだった。後半の50メートルは30秒19かかったが、後半に強い本来の池江の力が出せれば、29秒台中盤で泳げる。もう少し前半を楽に入れれば、55秒48の世界記録も視野に入ってくる。

 過去の国際大会でここまで安定して高いレベルで泳いだことはなかった。3日連続で個人種目とリレーに出場し、体力的にきつい中で今回は結果を残している。この一年で、速いだけでなく、強い選手に成長したと思う。(92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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