関学大、日大回答書に不服「誠意ある回答とは判断しかねる」 悪質タックル問題

[ 2018年5月17日 13:30 ]

会見する関学大アメリカンフットボール部の鳥内監督(手前)と小野ディレクター(奥)
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 関学大は17日、学生アメリカンフットボールの試合で日大の選手が関学大QBに悪質なタックルを見舞った問題で、抗議文書に対する日大の回答書について会見を開いた。

 会見には鳥内秀晃監督(59)と小野宏ディレクター(57)が出席した。冒頭で小野氏が日大からの回答書の内容を説明。日大は回答書で「意図的な乱暴行為などを教えることはない」「(指導方針は)ルールに基づいた厳しさを求めるもの」とした上で、今回の問題が発生した原因について「指導者による指導と選手の受け取り方にかい離が起きていたことが問題の本質」と結論づけ、指導方法について「深く反省している」とした。再発防止策については5月24日をめどに再回答するとしている。

 これに対し、小野氏は「責任ある立場である部長、監督から被害者、親に直接謝罪の申し入れがなかった」と明かし、遺憾の意を表明。また、試合後1週間以上も経過しているにもかかわらず、回答書には具体的な事実、経緯などチームとしての見解が示されていないと指摘し「これまで過去の試合でルールを守っていた選手がなぜ突然意図的で危険かつ悪質な行為に及んだのか。どのような指示、指導があり、本人がどのように理解、判断して行為にいたったのか」と日大が主張する“受け取り方にかい離”について、「真摯な調査に基づいた具体的な説明」を求めた。

 さらに、加害選手が悪質な反則行為を重ねたにも関わらず、交代を指示したり、注意、指導しなかったことを挙げ、「ルールを逸脱した行為を監督、コーチが容認していたと疑念を抱かざるをえない」と主張。「回答書によって、弊部の抱える疑問、疑念を解消できておらず、現時点では私どもが求めている誠意ある回答とは判断しかねる」と厳しい口調で訴えた。

 負傷した関学大のQBは14日にMRI検査を受け、「第2・第3腰椎棘間(きょくかん)じん帯損傷」と診断された。後遺症が残る可能性は極めて低いとの所見が出された。

 日大広報部は17日、学内の調査に内田監督が「監督は“必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ”など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」と証言したことを発表。調査に応じたコーチや主将らも指示を否定したという。

 一方で反則を犯した選手は「“反則をやるなら出してやる”と監督から言われた」と周囲に話していたことも判明。この選手は下級生の頃から主力だったが、関係者によると最近は監督から精神的な部分で苦言を呈され「チーム内で干されている状態」。定期戦前に「やるなら出す」と反則行為を条件に出場の機会が与えられたとして両者の主張は対立している。

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