小川Jr 史上初父子制覇ならず3位も初の世界選手権代表選出

[ 2018年4月29日 21:42 ]

全日本柔道選手権 準決勝で王子谷に敗れ、肩を落とす小川
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 柔道日本一を決める全日本選手権が29日、東京・日本武道館で行われ、今月初旬の全日本選抜体重別選手権(福岡)100キロ超級を制した小川雄勢(21=明大)は、準決勝で王子谷剛志(25=旭化成)に敗れて3位に終わった。歴代2位の優勝7度を誇る父・直也氏(50)との史上初となる父子制覇は逃したが、大会後の強化委員会で9月の世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)の100キロ超級代表に選出された。

 選抜体重別初制覇から3週間。開会式で山下泰裕会長が「100キロ超級は7試合中6試合が反則で決着した。非常に残念だった」と述べたのを、小川は耳を痛くして聞いていただろう。小川はその大会の全3試合で、技のポイントが一つもなく優勝。だからこそ試合では燃えた。初戦となった2回戦は払い巻き込みで一本。続く3回戦は反則勝ちだったが、4回戦は同じ大学生の山口貴也(日大)を内股で豪快に投げた。

 迎えた準決勝の王子谷戦。2連覇中の相手には過去の対戦で負けなしだったが、そこに落とし穴があった。序盤から積極的に技を仕掛けたが、開始30秒、「先に掛けようと思ったが躊躇(ちゅうちょ)した」際に出足払いに遭い、技ありのポイントを奪われた。残り時間は3分30秒。焦る必要はなかったが、そこは相手も全日本王者。猛攻で相手に指導2までは与えたが、ついに技のポイントは奪えず、敗戦が決まった。

 試合後は息をしっかり整えてからミックスゾーンに現れた小川は「悔しいが負けは負け。守りに入った相手をこじ開けることができなかった。これまでも余裕を持って勝っていたわけではないので、今回も慢心はなかったが、どこかに油断があったのだと思う」と反省の弁を述べた。直也氏も「きょうは全日本特有の雰囲気にやられたのかな。柔道人生のいい経験になったと思う」と愛息を慮った。

 父子制覇は来年以降にお預けとなったが、優勝した原沢久喜(日本中央競馬会)とともに世界選手権100キロ超級の代表に選ばれ、また一歩、東京五輪代表へと近づいた。昨秋以降に講道館杯、グランドスラム東京大会、選抜体重別と3大会を制したことが評価されたもの。直也氏も世界選手権では4個の金メダルを獲得している。全日本の前に世界選手権での父子制覇に挑戦する。

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2018年4月29日のニュース