上井 日本勢最高の4位「しょうがない。いや、でも悔しい」

[ 2018年4月29日 17:51 ]

中日クラウンズ最終日 18番、ラウンドを終え、Y・E・ヤン(右)と握手する上井
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 男子ツアーの中日クラウンズ最終日は29日、愛知県愛知郡東郷町の名古屋GC和合Cで行われ、2009年の全米プロで東洋人初の海外メジャー制覇を成し遂げた韓国のY・E・ヤン(46=NOWON)が4日連続の67をマークし、通算12アンダーで逆転優勝。06年サントリーオープン以来、12年ぶりの日本ツアー5勝目を挙げた。プロ14年目の上井邦裕(35=三好CC)が通算7アンダーで日本人最高位の4位に食い込んだ。

 相手は東洋人ただ一人の海外メジャーチャンピオン。格が違うといえばそれまでだが、敗れた上井の中には次につながる別の感情がわき上がっていた。

 「悔しかったですけど、しょうがない。いや、でもやっぱ悔しいっす」8番からの3連続バーディーで単独首位に立った。そこからは全盛期のウッズを逆転で破った男とのマッチレース。勝敗の分かれ目はヤン1打リードの17番で訪れた。

 先に打ったヤンの第1打はグリーン右のバンカーへ。飛距離の差と追い風を考慮して上井は同じ9Iを手にしたが、その瞬間、風が止まり、ボールは不運にもバンカー脇の芝のない砂地に止まった。土手のワンクッションを狙った第2打は硬い地盤に弾かれ、目の前のバンカーへ。ダブルボギー。ここで勝負は決まった。

 2カ月前に左腕を骨折。トレーニング中の転倒という不注意が招いた痛恨のケガ。その前日までプロ14年間で最高と自負する状態にまでゴルフは仕上がっていた。「今年はやれる」と大きく膨らんだ期待感が一転して絶望感へと変わった。

 後悔と焦りを必死で抑え込みながらの再出発。痛みに耐えながらのリハビリ。時には左手に全く力が入らなくなることもあった。こうしてつかんだツアー初優勝の好機。序盤に崩れていった同組の秋吉を「昔は自分もあんな感じだったなあ」と分析する冷静な目もこの2カ月の苦悩の中で養われていた。

 だからこそ、試合後、こみ上げてきた本当の悔しさ。「今年はこういうチャンスがもっと来ると思ってやってます」2位に終わった昨年のRIZAP KBCオーガスタ以上に価値ある4位終戦となった。

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2018年4月29日のニュース