土俵に女性 緊急時は認める 八角理事長「人の命にかかわる状況は例外中の例外」

[ 2018年4月29日 05:30 ]

八角理事長
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 日本相撲協会は28日、東京都墨田区の両国国技館で臨時理事会を開き、人命に関わる場合は例外として、女性が土俵に上がることを認める見解を明かした。この日、八角理事長(元横綱・北勝海)が「大相撲は女性を土俵に上げないことを伝統としてきましたが、緊急時、非常時は例外です。人の命にかかわる状況は例外中の例外です」との談話を発表した。

 4日の京都府舞鶴市での巡業中、あいさつをしていた多々見良三市長が土俵で倒れた際、救助の女性が土俵から下りるように場内放送が流れたことで批判を浴びていた。これについて、同理事長は「行司が大変不適切な場内アナウンスを繰り返しました。改めて深くおわび申し上げます」とした。

 6日に兵庫県宝塚市で行われた巡業では、中川智子市長が土俵上でのあいさつを希望したものの、事前に断られている。同市長は19日に協会を訪れ、「土俵上は女人禁制」の見直しを求めて要望書を提出した。協会は今後、有識者の意見を聞くほか、男女のファンらを対象に「土俵上の女人禁制」に関するアンケート調査を実施する方針。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「すぐに結論が出るものではない。ゆっくり議論を重ねながら改善策をつくらないといけない」と慎重だった。

 ○…臨時理事会では巡業で力士が児童に稽古をつける「ちびっこ相撲」の一時休止を決定した。「ちびっこ相撲」は宝塚市、静岡市などの巡業で女子の参加を断ったことが問題となっていたが、春巡業では男子のケガも2件報告されている。芝田山広報部長は「安全第一で物事を進めていかないといけない。児童が大勢土俵に上がると児童同士でのケガも考えられる」と説明。「いまの状況では危険性がある。議論が煮詰まらないことには決まらない」と話した。八角理事長は理事会の議論を集約した談話で「女子の参加についても再検討いたします」とコメントした。

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2018年4月29日のニュース