朝原氏 ジャマイカ金剥奪に複雑「当時の感動や順位が事実」

[ 2017年1月27日 05:30 ]

2008年8月、北京五輪陸上男子400メートルリレー決勝で、(右から)ボルト、パウエルのジャマイカを追う日本の(左から)朝原宣治、高平慎士の各選手
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 国際オリンピック委員会(IOC)は25日、08年北京五輪の陸上男子400メートルリレーでジャマイカのウサイン・ボルトらが獲得した金メダルを剥奪すると発表した。メンバーだったネスタ・カーターが、同五輪のドーピング再検査で興奮作用のある禁止薬物のメチルヘキサンアミンに陽性反応を示して失格となったため。処分が確定すれば、同種目で銅メダルを獲得した塚原直貴、末続慎吾、高平慎士、朝原宣治の4選手の日本が銀メダルに繰り上がる。

 北京五輪でアンカーを務めた朝原氏は「私たちの記憶の中では当時の感動や評価、順位が事実。1つ上がっていいじゃないかというものでもない」と複雑な心境。陸上界ではドーピング違反が後を絶たず、04年アテネ五輪の男子ハンマー投げでは室伏広治氏が銀から金メダルに繰り上がり、1カ月後に授与式が行われたことがあった。日本は12年ロンドン五輪の同400メートルリレーでも、2位に入った米国メンバーの違反で、15年になって5位から4位に変更された。朝原氏は「歴史が変わってしまう」と現状に危機感を口にした上で「20年東京五輪では(違反者が)一人も出ないクリーンな大会にしてもらいたい」と期待した。

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2017年1月27日のニュース