【稀勢の里手記】理想までまだ4割 次の目標は東の正横綱

[ 2017年1月27日 08:00 ]

芝田山親方(左)から雲竜型の土俵入りの指導を受ける新横綱稀勢の里
Photo By 代表撮影=共同

 新横綱昇進を果たした稀勢の里が手記を寄せ、これまでの苦労や今後の決意などを記した。

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 横綱になれた実感が徐々に湧いてきた。なかなか思うようにいかない時も我慢し、腐らずやってきて本当に良かった。つらい時期を思い出すと、少し泣けてきた。

 優勝には届かなかったが、昨年後半あたりから「これだ」という瞬間が結構あった。取組中ではなく、稽古場で四股やすり足など体を動かしている時に、ばちっとはまる感覚。だから自分はまだまだやれるし、もっと良くなる。目指すところにはまだ4割程度しか到達していない。17歳だった新十両当時の体を見ると、まるで小中学生のような体格だ。自分は昔から体つきが5〜6歳若いから、今は30歳だが25歳だと思っている。

 次の目標は東の正横綱に就くこと。これこそが番付の頂点だから、そのためには春場所で優勝したい。以前に40歳まで第一線で闘うと言ったことがあるが、もちろんそのつもりだ。達成感に浸っている暇などない。

 私は早熟で晩成という珍しいタイプ。不器用だけど、一つのことをやり続ける能力は高いと思う。ここからが自分の新たな土俵人生だと覚悟を決めている。

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2017年1月27日のニュース