【パラリンピアン支える力】「身近に感じて」スマホゲームも登場

[ 2016年9月11日 10:30 ]

リオ・パラリンピック 柔道女子57キロ級

(9月10日)
 昨年6月、日本財団が設立したパラリンピックサポートセンター(パラサポ)の活動が、1年あまりを経て、広がりを見せている。最初は競技団体の基盤整備として、東京都港区の一等地にある日本財団の1フロアを開放し、各団体のサポートに着手。すでに28の競技団体が事務機能を稼働した。予算の問題などでフルタイムの事務局員が少ないパラスポーツ団体だが、パラサポ本体のスタッフが事務処理をサポートするため負担は減少。また、今年3月までの初年度にパラサポの助成金を受けたのは21団体で総額は8065万円に上る。その多くは、事務局員の雇用や法人格の取得に生かされている。

 パラリンピックムーブメントの発信では「あすチャレ!School」を展開。パラリンピアンが全国の小学校などに赴き、共生社会への理解を深める一助となる体験型授業を行っている。パラスポーツ発展をサポートしているアギトス財団に1億円を拠出し、パラリンピックに関する教材開発にも着手している。

 極め付きは、パラスポーツのゲーム化だろう。先月31日にリリースされたのはスマホ用ゲーム「ゴールボール」。視覚障がい者の競技を、3カ月以上をかけてゲーム化したという力作だ。視覚で確認しながらの簡単なモードから、真っ暗な画面で音だけを頼りに行うモードまでが網羅されており「パラスポーツを身近に感じてもらうことだけでなく、実際に視覚障がいがある人にも楽しんでもらうことが目的」(パラサポ山脇康会長)という。硬軟自在の取り組みは、20年パラリンピックという枠組みを超え、将来の共生社会の一助として注目される。

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2016年9月11日のニュース