東京五輪&パラを満員の観衆の下で アイドルが観客動員の一端担う!?

[ 2016年9月9日 09:30 ]

始球式に登場したベイビーレイズJAPANの(前列左から)大矢梨華子、傳谷英里香、林愛夏、高見奈央、渡邊璃生は日本の選手たちと記念撮影

 ソフトボール女子の国際大会「ジャパンカップ2016」(9月2~4日、群馬県高崎市・城南野球場)で、日本は決勝で米国にコールド勝ちし、6大会ぶり2度目の優勝を飾った。7月の世界選手権で米国に敗れて3連覇を逃したが、野球・ソフトボールが20年東京五輪の正式種目に決定してから初めての国際大会でリベンジを果たした。金メダルを獲得した08年北京五輪のエース、上野由岐子(ビックカメラ高崎)も故障から復帰し、明るい話題の多い大会となった。

 この模様はBSジャパンが中継した。番組のテーマ曲「シンデレラじゃいられない」を歌っている5人組アイドルグループ「ベイビーレイズJAPAN」のメンバーは、大会第2日の日本―米国戦で始球式を務めた。母親がソフトボール選手だったセンターの林愛夏がピッチャー、他の4人が内野の守備についた。林は出番の直前まで投球練習を続け、“本番”は惜しくもワンバウンドだったが、しっかりとした投球を披露して盛り上げに一役買った。

 感心させられたのは、始球式を終えた後の彼女たちの行動だ。忙しいスケジュールの合間を縫っての参加ながら、試合は最後まで見届けた。試合後は、それぞれがSNSでソフトボールへの思いをつづっていた。一過性ではなく、今後も応援していきたいという気持ちが伝わってきた。

 国民的アイドルグループのSMAPは、20年東京パラリンピックのサポートを行ってきた。結果、SMAPも参加した昨年11月の「パラ駅伝 in TOKYO 2015」(駒沢オリンピック公園)には約1万5000人の観衆が訪れた。パラリンピックの知名度を高めるには、これ以上ないと言えるイベントになった。SMAPは今年いっぱいで解散するため、今後はグループとしてパラリンピックをサポートできなくなったのは残念でならない。

 今回のソフトボール女子の国際大会にも、「虎ガー」と呼ばれるベイビーレイズJAPANのファンが多数、会場に足を運んだ。話を聞いてみると、ソフトボールを観戦するのは初めてという人がほとんどだった。きっかけは「アイドル」だったとはいえ、生で世界トップレベルの試合を見られるのは滅多にないこと。2000円のチケット代は、ソフトボール初心者にとっても高くはなかったようだ。

 東京五輪・パラリンピックの全ての競技が、満員の観衆の下で行われたとしたら、どんなに素晴らしいことだろう。それは選手のモチベーションを高めることにもつながるはず。ならば、観客動員の一端を担うのが、それぞれの競技のことを真剣にサポートしようと考えているアイドルや著名人だっていい。最近、そんなふうに思うようになった。(佐藤 博之)

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2016年9月9日のニュース