【丸山茂樹メジャー基準】日本にも名物8番のようなタフなコースを

[ 2016年7月18日 08:44 ]

<全英オープン・第2日>17番、ボギーをたたいて険しい表情の松山

米男子ゴルフツアー 第145回全英オープン

(7月17日 英国トルーン ロイヤルトルーンGC=7190ヤード、パー71)
 第3日は寒さの中での戦いになったが、最終組のステンソンとミケルソンが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。どちらかがバーディーを取れば、もう一方がすぐに取り返す。まるで最終日のような見応えのあるデッドヒートだった。

 逆転で首位に立ったステンソンの強みはパワーだ。以前は1Wに弱点があったが、克服して米ツアー年間王者にもなった。高い身体能力を備え3Wでも300ヤード近く飛ばすことができるため、ティーショットでも3Wをうまく使ってマネジメントしている。

 全米オープンなら飛距離が大きなアドバンテージになるため、D・ジョンソンのように1Wを遠くに正確に飛ばせる選手が有利。しかし全英オープンでは硬いフェアウエーや、風を利用した戦術が必要になる。ステンソンは3Wと1Wをうまく使い分けてコースを攻略している。

 ミケルソンはトラブルに見舞われた時の対応能力が非常に高い。12番では第1打をブッシュ近くの深いラフに入れながら、難しいショットを選択して見事に脱出した。ピンチでも落ち着いて対応できるところにメンタルの強さを感じる。そして瞬間的にいろいろな選択肢の中から最善の決断ができるのは高い経験値があるからだと思う。

 8番パー3では初日に宮里、第2日に今平が「7」の大叩きをした。あごの高いポットバンカーや脱出不可能な深いラフは日本のゴルフ場ではなかなか経験できない。だから日本人はそういう状況に陥ると焦って頭が真っ白になってしまう。2人とも落ち着いて考えて、諦めるところは諦めて次のショットを選択すれば結果は違ったはずだ。日本にももっとタフなコースが必要ではないかとあらためて考えさせられた。 (プロゴルファー、リオデジャネイロ五輪日本代表ヘッドコーチ)

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2016年7月18日のニュース