“4連パ~”海老沼まさか3回戦で涙「僕は負けて強くなる」

[ 2015年8月26日 05:30 ]

男子66キロ級3回戦でソビロフ(右)に一本負けした海老沼匡

世界柔道第2日 男子66キロ級

(8月25日 カザフスタン・アスタナ)
 男子66キロ級で大会3連覇中だった海老沼匡(25=パーク24)が、まさかの3回戦負けを喫した。10、11年60キロ級王者のリショド・ソビロフ(28=ウズベキスタン)に1分31秒、大内返しで一本負け。「勝ち急いでいた。方向と胸(の位置)がずれていた。少しのずれで相手は返しやすくなる」。藤猪省太と並んで日本男子最多となる4連覇は果たせなかった。

 快勝に見えた1、2回戦から海老沼は「何かがずれている」と違和感を覚えていた。だからこそ「ずれていてもいい。一本でなくてもいい。泥くさく」と4連覇への戦略を切り替えた。だが、勝負どころで柔道家の本能が目を覚ました。「ひっつくとうまい相手。最初は一本背負いで攻めようと思っていた。だけどチャンスで大内刈りを試したい僕がいた」。奥襟を取った瞬間に相手の懐に飛び込む。しかし深追いしたところに返し技が待っていた。

 4月に左肩腱板を損傷。今大会の約1カ月前には左足首も痛めた。加えて4連覇を狙う王者の重圧もあったはずだ。個人戦で外国人選手に敗れたのはロンドン五輪の準決勝以来。「今回負けてちゃんと挑戦者になれた。僕は負けて強くなる。もっと強くなれればいい」。再び王者となる日を鋭い目で見据えた。

 ▼全日本男子・井上康生監督 代表2人の66キロ級でメダルにも届かず、非常に残念だ。海老沼の目標はあくまで五輪の金メダル。敗因を分析し、来年は王座を奪回したい。(軽量2階級で優勝を逃し)これが現実だ。

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2015年8月26日のニュース