エディー・ジャパン連敗4でストップ!内田 W杯生き残りへ前進

[ 2015年8月23日 05:30 ]

日本―ウルグアイ 前半、トライを決めるツイ(右)

テストマッチ 日本代表30―8ウルグアイ代表

(8月22日 福岡・レベルファイブ)
 日本代表はウルグアイ代表に30―8で勝利し、7月24日の米国戦(米サクラメント)から続いていた連敗を4で止めた(非テストマッチを含む)。前後半計3トライを奪った中、本来はスクラムハーフながら左ウイングで先発した内田啓介(23=パナソニック)が好アピール。ユーティリティープレーヤーとしての資質をエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(55)も高く評価し、31日発表のW杯メンバー生き残りに一歩前進した。

 もっとプレーしたい。後半10分、15人で最も早く交代を命じられた内田は、複雑な表情でピッチから退いた。それでも慣れないポジションでトライはなかったが、致命的なミスもなかった。「全てが新鮮だった。こんなんで11番を背負っちゃいけないかもしれないが、きょうは楽しかった」。当落線上にいる自分の立場も忘れて50分間、ラグビー人生で初めて背負った番号を楽しんだ。

 見せ場はいきなり来た。前半開始、相手キックオフの処理から左展開となりライン際でパスを受ける。そのまま40メートルを走り抜ければトライとなるシーンだったが、相手に捕まりタッチラインを割った。同29分にも同様のシーンでタッチを割り、攻撃面では「抜けなかったのは残念」と話した。

 それでも同36分、自陣ゴールライン手前3メートルで相手を背面タックルしトライを防いだ。指揮官が「内田はもしかしたら(W杯で)ウイングができるかも」と称えたほど、インパクトのあるプレー。宮崎合宿中の6月2日、実戦形式でタックルミスを犯し、激怒した指揮官に練習から退場させられたこともある。同じ轍(てつ)を踏むことなく、評価を一変させた。

 「本当はハーフで出たい」と漏らすが、W杯に出られるならポジションへのこだわりはない。パシフィックネーションズ杯は2戦目の米国戦(米サクラメント)で先発も判断ミスを連発。チームを離脱し早期帰国したが「気持ちが切れることはなかった」と言い切る。憧れのプレーヤーはオーストラリア代表のウィル・ギニア。1メートル74、82キロのワラビーズとはサイズもほぼ同じで「目指すところはあの突破力やランニングスキル」。ハーフながら自ら走るプレーにも注力してきたからこそチャンスが巡ってきた。

 31日のW杯メンバー発表まで、あと8日。ポジションのこだわりは捨て、望みは捨てなかった男に、朗報は届くはずだ。

続きを表示

2015年8月23日のニュース