川井 女子63キロ級初V!伊調避け「五輪に一番近い道」2階級UP

[ 2015年6月21日 05:30 ]

女子63kg級で優勝した川井(左)は、母・初江さんからメダルをかけられ笑顔

レスリング全日本選抜選手権第2日

(6月20日 代々木第2体育館)
 9月の世界選手権(米国)の代表選考会を兼ねて行われ、女子63キロ級は川井梨紗子(20=至学館大)が初優勝を果たした。来年のリオ五輪出場を目指すために、五輪3連覇の伊調馨(31=ALSOK)が君臨する58キロ級から2階級上げての出場。決勝では昨年優勝の渡利璃穏(23=アイシンAW)を2―1で下し、21日の強化委員会で決まる世界選手権代表入りに大きくアピールした。

 階級制の競技において体重差は大きなハンデになる。だが川井は五輪出場への執念で、2階級もの階級アップを乗り越えた。60・8キロとリミットにはまだまだ余裕のある体で、準決勝は全日本選手権覇者の伊藤を破り、決勝では渡利に粘り勝った。

 これまでの58キロ級では伊調が代表争いのライバル。現時点での力関係に実績も加味すれば、川井のリオ五輪出場の可能性は限りなく小さなものだった。昨年12月の天皇杯でも伊調に敗れると、周囲から階級転向を勧められ、気持ちが揺らいだ。5月の大会エントリーの際も「階級の欄だけは最後まで書けなかった」とぎりぎりまで悩んだが「馨さんから逃げたわけじゃなく五輪に一番近い道を選んだ」と今は気持ちはすっきりしている。

 リオ五輪で活躍し、再び58キロ級で伊調に挑む。その目標のためにも、しっかりと優勝を勝ち取って自分の道を切り開いた。

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2015年6月21日のニュース