【丸山茂樹が分析】リンクスにも対応できるスピースの柔軟性

[ 2015年6月21日 07:14 ]

メジャー連勝へ首位に浮上した21歳スピース

USPGAツアー 全米オープン第2日

(6月19日 ベイワシントン州 ユニバーシティープレース チェンバーズベイ=7526ヤード、パー70)
 スピースがここまで伸ばしてくるのは想定外だった。マスターズで優勝して、さらに全米オープンでも勝つことは簡単ではないし、正直厳しいと予想していた。その中で優勝争いに加わってきたのはさすがの一言だ。

 リンクスでのゴルフの経験値が高いとは思えない。にもかかわらず対応しているのは柔軟性があるからだ。決してロングヒッターではないし、米ツアーの中で群を抜く強力な武器があるわけではない。総合力の高さ、バランスの良さが持ち味でコースマネジメントの能力が高い。ピンチもあったが、冷静にしのいでいた。それも一流の証だ。

 タイトルに手が届きそうな土壇場では相当なプレッシャーがかかってくるだろうが、オーガスタでも同じような経験をしているし、ここまでのプレーを見る限り、乗り越えるのではないかと思う。

 スピースの他にも上位にはリード、D・ジョンソンら役者がそろっているだけに決勝ラウンドが非常に楽しみだ。

 タイガーは予選落ちに終わった。僕は一番強い頃をよく知っているだけに今の姿を見るのは寂しい。スイング改造に取り組んでいるが、本人が方向性に納得しているのか疑問だ。メンタルに問題があるなら別の対策が必要だが、そうでないなら絶好調だった00、01年のスイングに戻してみてはどうだろうか。

 石川も残念な結果になった。やはり予選会と本戦とは違う。今の状態では、このコースを攻略するのは難しいということだ。不安材料だったティーショットで、クラブが振り切れていなかった。この経験を今後に生かしてほしい。(プロゴルファー)

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2015年6月21日のニュース