NEC SO田村、得意の足技で日本代表司令塔対決制した

[ 2014年8月24日 05:30 ]

<NEC・クボタ>後半、精度の高いキックでPGを決めるNEC・田村

ラグビートップリーグ第1ステージ第1節 NEC24―3クボタ

(8月23日 秩父宮)
 4試合が行われ、A組で昨季8位のNECが同9位のクボタに24―3で勝ち、10季ぶりに開幕白星を挙げた。日本代表SO田村優(25)が持ち味のキックでゲームを支配。日本代表で司令塔の定位置を争うクボタSO立川理道(はるみち=24)との直接対決を制し、来年9月に開幕が迫るW杯イングランド大会へアピールした。B組では昨季準優勝のサントリーが同14位のコカ・コーラに17―13で辛くも勝利した。

 注目の対決で田村がチームを勝利に導いた。優れた判断と妙技を見せたのが前半14分だ。乱れたパスをインゴールまで約10メートルのところで受けると、外に回さずグラバーキック。ボールは絶妙な位置に転がり、WTB大東のトライにつなげた。「相手に捕られてもキックで出されてマイボールになる。ラッキーでした」と謙遜したが、視野の広さと技術が際立った。

 同38分には自ら防御網を突破してインゴールに迫り、前半3つ目のトライをアシスト。難しい角度だったゴールキックも3本全てを沈め、キックで完璧なエリアマネジメントを披露した。「(内容は)まあまあ」と素っ気ないが、司令塔に必要な冷静さは折り紙付きだ。

 立川理に関する質問をぶつけられても「意識してない。お互いにないと思いますけど」と話したが、周囲は違う。相沢総監督は「田村は素晴らしいキックをしてくれた。私も対決を楽しんだ」と興奮気味に話した。今春の日本代表のテストマッチ8試合では、強豪相手の後半4試合の先発SOを立川理に譲った田村。1年後に向け、静かで激しいポジション争いが始まった。

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2014年8月24日のニュース