鶴竜土俵入り 貴親方が雲龍型指導へ 一門の枠超え協力

[ 2014年3月25日 05:30 ]

横綱への推薦決定の知らせを受け、笑顔で記念撮影に応じる鶴竜

 日本相撲協会の横綱審議委員会(内山斉委員長=読売新聞グループ本社顧問)が24日、東京・両国国技館で行われ、大関・鶴竜(28=井筒部屋)を満場一致で横綱に推挙することを決めた。平成以降では、2場所連続優勝なしに昇進するのは初めてとなるが、真面目で努力家な人柄が評価された。また貴乃花親方(元横綱)が雲龍型の土俵入りを指導することになった。26日の理事会で昇進が正式決定する。

 鶴竜は、横綱推挙の一報を大阪市西成区内の春場所宿舎で報道陣から携帯電話で伝えられた。「はい。ありがとうございました」と吉報に笑みを浮かべ「優勝に絡んだ成績を毎場所普通に続けていかなければならない」と決意を口にした。

 満場一致の横審の推挙だったが、目指す横綱像は「変わらなくていい部分はありのままで」と自然体を強調する。伝達式の口上の言葉選びのポイントも「シンプル・イズ・ベスト」。大関昇進時も「お客さまに喜んでもらえるような相撲を取れるよう努力します」と簡潔にまとめていただけに、今回も等身大で臨む考えだ。午前中の一夜明け会見で「親孝行ができた」と喜び、午後の取材では「支えてくれた皆さんに感謝」と話したように言葉の端々に人柄の良さを感じさせる。その飾らない、真面目な態度は一門を超えた親方から幅広い協力を集める。

 時津風一門伝統の雲龍型が有力な横綱土俵入り。通常は一門の先輩横綱に指導を仰ぐが、鶴竜の所属する時津風一門の横綱は、第47代の柏戸が1969年名古屋場所を最後に引退して以降不在。そこで、貴乃花親方と仲のいい時津風一門の親方を通じて、土俵入りの指導を依頼することになった。貴乃花親方は「頼まれましたからね」と快諾した。

 27日に予定されている土俵入りの稽古は、「綱打ち」で新しい綱を作製した後に実施。土俵入りに使う三つぞろいの化粧まわしも、北の湖理事長(元横綱)が還暦土俵入りで使用したものを借りて稽古する。北の湖、貴乃花という偉大な先人のバックアップを得て、鶴竜が静かに横綱の第一歩を踏み出す。

 ▼北の湖理事長(横審の推薦は)全会一致で決まった。これから本当に気を引き締めて頑張ってくれると確信している。横綱の責任を感じ、自覚してやってほしい。普段から淡々と仕切っているように、心をしっかり持って頑張るだろう。

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2014年3月25日のニュース