国産そり関係者がソチ視察 「滑らせてあげたかった」

[ 2014年2月17日 10:46 ]

 ボブスレー男子2人乗りには、東京都大田区の町工場が中心になって開発した「下町ボブスレー」が初の国産そりとして五輪出場を目指していた。製作を手掛けたプロジェクト推進委員会のメンバーたちがソチを訪れ、結局は日本チームの使用断念で諦めるしかなかった本番レースを16日、観戦した。

 そり設計の中心的な役割を担った金属加工の職人、鈴木信幸さんは、そり会場のスタンドから外国製のそりに乗る日本チームを応援した。「やっぱりお祭りだなって思った。こういうところで滑らせてあげたかった」としみじみと口にした。

 鈴木さんは五輪モデルとして製作したそりが実戦デビューする予定だった昨年11月の北米遠征に、推進委員会からただ一人同行。レース直前に改良すべき点を指摘され、失意を胸に帰国した。

 指定された期限内に改良を終えた。しかし五輪出場権を懸けてレースを続けたチームに「下町ボブスレー」を試す余裕はなく、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟からソチ五輪での不採用を通知された。

 日本のペアは競技前半の初日、出場30組中28位と苦戦した。推進委員会は4年後の平昌冬季五輪挑戦を表明しており、鈴木さんは「また一から。いい選手を見つけて、相性の合うそりをつくりたい」と話した。(共同)

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2014年2月17日のニュース