TLの厚い壁…大学選手権5連覇の帝京大でも勝てず

[ 2014年2月17日 05:30 ]

<帝京大・トヨタ自動車>後半 帝京大・中村(右)は、トヨタ自動車・彦坂匡をタッチライン外の積雪に押し出す

ラグビー日本選手権1回戦 帝京大13―38トヨタ自動車

(2月16日 秩父宮)
 トップリーグVS学生の顔合わせで4試合が行われ、いずれもトップリーグが勝って2回戦(23日)に進んだ。大学選手権5連覇中の帝京大は、トップリーグ6位でワイルドカードトーナメントを勝ち上がったトヨタ自動車に13―38で敗戦。05年度(06年)に早大がトヨタ自動車を下して以来、8季ぶり2度目の大学勢によるトップリーグ撃破はならなかった。2回戦は23日に2試合が行われる。

 ノーサイド直後、フィールド内で円陣を組んだ帝京大フィフティーンが泣いた。学生最後の試合となった4年生だけではない。下級生たちも涙に暮れた。4年間への惜別の思いではなく、悔しさが源流の涙。1年間、本気でトップリーグ撃破へ取り組んだ証拠だった。

 岩出雅之監督は「きょうの内容が現時点の実力。この状況で対応できるレベルに持っていけなかった私の責任」と言った後、こう続けた。「負けた時に照れ隠しのようにニヤニヤとするのは、絶対にするなと(試合前に)話をしていた。本当に悔しい思いをする内容で終わろうと話した」

 チームが始動した春から、今シーズンの目標を「大学選手権5連覇」と「トップリーグ撃破」の2つに設定。トップリーグのチームと練習試合や合同練習を重ね、レベルの高さを肌で感じ続けてきた。CTB中村主将は「(春は)コンタクトの質の違いは感じた。ただ、そういう基準を見せられて、練習でもそれ以上のものをやっていこうと意識した」と話す。差を痛感し、埋める作業を続けてきた1年間の集大成になるはずだったが、壁はなおも高かった。

 前半7分、ラインアウトからそのままモールで押し込まれて先制トライを許した。アタックではブレークダウン(密集)で激しいプレッシャーを受け、球出しが遅れて攻めあぐねた。マイボールのラインアウトもことごとくボールを失った。

 ただ、1対1では1年生のSO松田や中村がラインブレークするなど、通用した部分もあった。新主将にSH流、副将にフッカー森川で臨む来季。「帝京にはやり残したことがある」。中村主将が残した言葉は、後輩たちに託された。

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2014年2月17日のニュース