琴奨菊 バチッと音が…大胸筋断裂?休場危機で2度目カド番も

[ 2013年11月12日 06:00 ]

勢い余って土俵の下に落ちた琴奨菊は右手を痛め痛がりながら起き上る

大相撲九州場所2日目

(11月11日 福岡国際センター)
 大関・琴奨菊がピンチに立たされた。東小結・松鳳山を押し出しで破って初白星を挙げたが、土俵際で投げを打たれた際に右胸付近を痛めた。取組後に病院に直行した。ご当地場所で初優勝を目標に掲げていたが、痛恨の負傷。このまま休場となれば、来年1月の初場所は12年11月の九州場所以来2度目のカド番となる。5場所連続優勝を目指す横綱・白鵬は安美錦を難なく押し出し、史上最速の横綱500勝を挙げた。
【2日目取組結果】

 地元・福岡県出身の琴奨菊が悪夢に襲われた。先場所敗れていた松鳳山戦は、右で抱えて左でおっつけて前に出た。そのまま体を預けて押し出したが、勢い余って転落した土俵下ではしばらく身動きが取れなかった。土俵際ですくい投げを打たれた際に右胸付近を痛めたもようで、起き上がっても右手を胸につけて固定したまま動かせなかった。苦もんの表情で土俵に戻ると、いつもとは逆の左で手刀を切って懸賞金を受け取った。

 本来なら勝ち残りで控えに座るはずだったが、すぐに西の花道から引き揚げた。支度部屋で報道陣に囲まれると「クッソー」と一言だけ発した。初白星を手にしながら、悔し涙がこぼれた。そのまま、福岡市内の病院に直行した。この日は父・菊次一典さんが応援に駆けつけたが、予期せぬ事態に遭遇してしまった。「大事に至らなければ。あんな顔を見たことがないので」と話し、息子の姿を心配そうに見送るしかなかった。

 師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は、筋断裂かと問われ「そうでしょうね。大胸筋の辺りだと思う。(土俵から)落ちた時にバチッと音がしたと言っていた」と説明。今後については「あす(12日)の朝に本人と話して出場か休場かを決める。大きく切れていればダメだと思う。(負傷が)軽ければテーピングで固めて、できないことはない」と話した。

 このまま休場となれば、来年1月の初場所は2度目のカド番となる。場所前は「優勝を目指したい。日本人優勝が遠のいているので頑張りたい」と優勝宣言していたが、目標は2日目にして絶望的となった。重傷なら初場所の出場すら微妙となる。ご当地場所で、琴奨菊が窮地に追い込まれた。

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2013年11月12日のニュース