マツケン 34年ぶりメダル届かず…準々決勝で夢散る

[ 2013年5月20日 06:00 ]

男子シングルス準々決勝で許キンに2―4で敗れ、悔しそうな松平健太

卓球世界選手権第7日

(5月19日 パリ・ベルシー体育館)
 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク58位の松平健太(22=早大)は同1位の許キン(中国)に2―4で敗れ、メダル獲得を逃した。2―1とリードし健闘したが、第4ゲームをジュースの末に落とすと一気に突き放された。日本男子として79年平壌大会の小野誠治以来34年ぶりとなるメダル獲得はならなかった。今大会の日本勢は全て敗退した。

 34年ぶりの快挙は夢と散った。勝てばメダルが決定する準々決勝で松平健は世界1位の許キンと対戦。最後は8―7から4連続ポイントを許して敗れ、「勝てるチャンスはあった。許キン選手とはいつも接戦で手応えを感じる試合ができているが、負けたことが悔しい。また一緒かという感じ」と唇をかんだ。2回戦で08年北京五輪王者の馬琳(中国)、4回戦で元世界1位ウラジーミル・サムソノフ(ベラルーシ)を撃破したが、やはり世界1位の壁は厚かった。

 確かに相手を慌てさせた。第1ゲームを落としながらも、第2ゲームを5―9から奪うと、第3ゲームも奪った。フォアとバック両ハンドを器用に使い分け、自らは一歩も動かず、世界1位を左右に揺さぶるラリーは観客の目も奪った。

 勝敗を分けたのは2―1の第4ゲーム。3―7から7―7と猛追。だが、ゲームポイントを4度握られ、「先に取れれば、ものにするイメージはあったけど1本が出せなかった」と12―14で落とすと流れを失った。倉嶋監督も「第4ゲーム目のジュースが勝負だったが、相手がいいコースをついてきた」と悔やんだ。

 甘いマスクとは裏腹に、強じんな太腿から多種類のサーブを打ち分ける。高校時代はスクワットを毎日250回していた逸話もある。ロンドン五輪代表落選後は体力の強化に取り組んだ。母・道代さん(52)は「(体重が)2カ月で3キロ増えたと言っていた」と話し、父・清志さん(59)も「前よりも力強くなった」と成長を認める。世界のトップと戦う手応えと、その差も感じた今大会。22歳は「できは90点。レシーブ、サーブのコースの工夫が足りなかった」と話した。マツケンの世界への挑戦は続く。 

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2013年5月20日のニュース