“怪物”松山、プロ2戦目V見えた!2打差2位浮上

[ 2013年4月28日 06:00 ]

第3日の6番、第2打の前にジャンプしてコースを確認する松山

男子ゴルフツアーつるやオープン第3日

(4月27日 兵庫県川西市 山の原ゴルフクラブ山の原コース=6793ヤード、パー71)
 怪物ルーキーが初優勝に前進した。日没で持ち越しとなった第2ラウンドの残りと第3ラウンドを消化。第2ラウンドを終えて2位だった松山英樹(21=東北福祉大)は第3ラウンドも6バーディー、3ボギーの68を出し、通算13アンダーで首位の李泰熙(28=韓国)と2打差の2位につけた。最終日は倉本昌弘と並ぶ歴代2位のプロ2戦目Vを狙う。尾崎将司(66=マックス・インターナショナル)は22位だった。
【第3R成績】

 プロ2戦目での優勝を視界に捉えても、松山の表情は曇りがちだった。「状態が良くないので心配。不安を残して終わってしまった」

 第2ラウンドの残り4ホールで2つ伸ばした後の第3ラウンド。毎ホールに1回はフィニッシュをしっかり取れない手探りのプレーの連続だった。7番は左ラフから8Iで打った直後、肩を落としたが、ピンそば1メートルにつけバーディー。こんな調子でバーディーを量産するのが、怪物たるゆえんだ。

 総距離7000ヤードを超えるツアーコースが多い中で、今大会は6793ヤードと短いが、決して飛ばし屋が有利とは言えない。ドッグレッグしているホールが少なくなく、フェアウエーを外すとグリーンがブラインドになり、グリーンにも微妙な傾斜がある。歴代優勝者に藤田寛之(10、12年)ら技巧派が名を連ねるように、第1打のミスが命取りになるコース設定だからだ。松山も、それは心得ていた。第3ラウンドの第1打(パー3を除く)で1Wを握ったのは14ホール中6回。3Wが2回、5Wが4回、3Iと5Iが1回と初戦同様、「ティーショットが良くない」という中で、最善の策を施した。

 同学年のライバル、石川遼はかつて8番で1オンを狙い、池が重圧の10番でも1Wを握った。その2ホールで、松山はアイアンを持った。アマでツアー優勝をした2人とはいえ、粗削りなまま16歳でプロになった石川と、アマで輝かしい実績を残した21歳の松山とでは、プロ転向時点での攻め方のバリエーションの多さに違いが見える。デビュー戦の東建をテレビ解説した丸山茂樹も「背が高い大型選手だけど意外にゴルフの攻め方もうまい」と1メートル81、75キロのサイズからくるイメージとは異なる繊細なプレースタイルを評価していた。

 一方で、持ち味の飛距離も十分に発揮した。第3ラウンドの1Wの平均飛距離は306・5ヤードでランク1位。パー5での3日間の2オン率も44%で1位だった。この日はパー5の第2打を全てアイアンで打ち、いずれもイーグル逃しのバーディーとした。18番で80センチを外しボギーを叩くなど終盤はリズムを崩したが、パー5の攻略には「第2打をしっかり打ってバーディーを取れて良かった」と及第点を与えた。

 計22ホールを回るため午前4時に起床した長い1日を終え、プロ2戦目での優勝が見える位置につけた。「やるべきことはやる」。短い言葉の中に快挙への決意がにじんだ。

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