上井 アルバトロスで初優勝王手 ギネス男の本領発揮

[ 2013年4月21日 06:00 ]

上井邦浩は17番ホール、2打目を直接カップインさせアルバトロスを達成しバンザイ!

男子ゴルフツアー 東建ホームメイト・カップ第3日

(4月20日 三重県桑名市 東建多度カントリークラブ名古屋=7081ヤード、パー71)
 上井邦浩(30=三好CC)がアルバトロスで王手をかけた。12位から出ると、17番パー5でのアルバトロスに加え7バーディー、1ボギーの62と爆発。自己ベストを叩き出し、通算8アンダー、205で2位に1打差の首位に立った。10年バナH杯KBCオーガスタ以来、2度目となる最終日単独首位から悲願のツアー初優勝を目指す。新人の松山英樹(21=東北福祉大)は12番でOBを連発するなど74。通算3オーバー、40位に後退した。
【第3R成績】

 確かな手応えとともに球の行方を追った。17番パー5。1Wで320ヤード飛ばした上井の2打目はピンまで195ヤードあった。6Iでフェードをかけたボールはラフでバウンドしてグリーンに乗り、そのまま15メートルのスライスラインを転がるとカップに消えた。「ラインも出ていたのでよしっ!と思って眺めていた」。名古屋商大3年の文部科学大臣杯以来、もちろんプロ初のアルバトロスを両手を上げて喜んだ。18番のボギーには苦笑いを浮かべたが、スーパーショットが効いて62。単独首位になった。

 10年のバナH杯KBCオーガスタでは初日と3日目に8番でホールインワンを達成。「世界初の同一大会同一ホールのホールインワン」はギネスにも載る。その時初めて最終日を単独首位で出たが、70と伸ばせず結果は5位。「あの時は勢いだけ。技術が足りなかった。でも経験を積みレベルアップしているはず」。今度こそ劇的な一打を勝利につなげるつもりだ。

 芹沢信雄の門下生でオフには昨季の賞金王・藤田寛之や宮本勝昌らと腕を磨く。昨年の賞金ランクは自己最高19位となり着実に成長。「いつか藤田さんに追いつけるように」と今オフはグアムで合宿を行い、3月のインドネシアでの試合後も気候のいい現地に残り練習に励んだ。中学時代に野球で体力をつけ、1メートル80、78キロの恵まれた体からの飛距離が武器だ。ドライビングディスタンスは3日間を終え297・50ヤードで7位。飛距離を生かし、12番パー5は2オンに成功してバーディー。この日のパー5は5つスコアを縮めた。

 これまではプロ野球・阪神の久保康生2軍投手コーチの義理の息子として注目されることが多かった。だが、3月28日には三男・琉太くんが誕生。家族5人の大黒柱のモチベーションは高い。「いい位置にいるので集中して優勝したい」。経験を積み技術を磨いたプロ9年目の30歳。機は熟した。

 ◆上井 邦浩(かみい・くにひろ)1982年(昭57)10月28日、大阪府生まれの30歳。15歳からゴルフを始める。名古屋商大を経て05年にプロ転向。昨年はカシオワールド・オープンで自己最高2位の成績を残し賞金ランクは19位。家族は友香理夫人、長男・翔太くん(4)、次男・健太くん(1)、三男・琉太くん(0)。義父はプロ野球・阪神2軍投手コーチの久保康生氏(55)。義理の妹で双子の久保啓子、宣子(ともに26)はプロゴルファー。1メートル80、78キロ。

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