遼5打差23位上々スタート「優勝するために来た」

[ 2013年4月13日 06:00 ]

第1ラウンド、明るい表情でホールアウトした石川遼

USPGAツアー マスターズ第1日

(4月11日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 5年連続5度目の出場の石川遼(21=CASIO)は5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーで大会自己ベストに並ぶ71で回り、首位と5打差の23位と上々のスタートを切った。藤田寛之(43=葛城GC)は79で87位と出遅れた。世界ランク1位のタイガー・ウッズ(37=米国)は70で13位。史上最年少出場のアマチュア関天朗(14=中国)は73で46位。マーク・リーシュマン(29=オーストラリア)とセルヒオ・ガルシア(33=スペイン)が66で首位に並んだ。

 ホールアウトした石川は表情に充実感をにじませた。20位に入った11年の第1日と第2日に出した今大会自己ベストに並ぶ71。「今までで一番落ち着いてラウンドできた」と胸を張った。「優勝争いをするために来ている。そのためにはこのスタートが必要だと思った」と強気な言葉も口にした。

 出だしは不安が漂った。「(緊張で)さすがにがちがちだった」。1番パー4は3Wの第1打を右の林へ入れ、ボギーを叩いた。だが「ティーショットを打ち終わったらリラックスできた」と続く2番パー5でバーディーを奪って取り戻した。

 1Wが平均302・5ヤードも飛んだ効果もありパー5の4ホールで3バーディーを稼いだが、むしろ光ったのは後半の粘り。14番パー4でダブルボギーを叩き、1オーバーまで落とした。今季はボギーの後にショットが乱れ、崩れるパターンが多いが「1ホールでやられるのはもったいない」と切り替え、続く15番パー5で見せ場をつくった。第2打は20ヤード前方の木が邪魔になりピンを真っすぐ狙えない状況だったが、6Iでフックをかけてグリーン手前に運んでバーディー。16番パー3ではカラーから5メートルを沈めて1アンダーに戻した。

 崩れなかった要因は2つ。1つは過去4度のオーガスタでの経験。これまでは憧れの舞台にいれ込むことが多かったが、この日はミスをしても冷静に状況判断ができた。17、18番はいずれもグリーン奥にこぼしながらラフをクッションに使って寄せ、パーセーブした。

 もう1つは3月からキャディーを務めるサイモン・クラーク氏の存在。日本ツアーでコース攻略メモ「ヤーデージブック」を作成する同氏は情報収集能力に優れ、オーガスタの情報も頭に入っている。同氏のアドバイスを信じてプレーすることで集中できた。

 地元紙の大会展望記事で「優勝があり得ない人」として関天朗らとともに名前を挙げられた。日本ではあり得ないことをやり遂げてきた石川が憧れの舞台でもそれを目指していく。

 ▼4位R・ファウラー 2度とも直後にバーディーを取ったのが大きかった。(ダブルボギーを2つ叩きながら68)

 ▼4位F・カプルス ここへ来ると本当にいい気分でプレーできる。勝てると思う限り出続けるけど、あと25年は大丈夫だと思う。(昨年は第2日を終えて首位。53歳となった今年は初日68)

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2013年4月13日のニュース