萩野3冠!メダリスト松田&入江破った

[ 2013年4月13日 06:00 ]

男子100メートル背泳ぎで優勝し、ガッツポーズする萩野公介

競泳 日本選手権第2日

(4月12日 新潟県長岡市・ダイエープロビスフェニックスプール)
 世界選手権(7~8月、バルセロナ)の代表選考を兼ねて行われ、男子は萩野公介(18=東洋大)が200メートル自由形を1分46秒28、100メートル背泳ぎを53秒10で優勝。ともに派遣標準タイムを突破し、前日の400メートル個人メドレーに続き今大会3冠を達成した。女子では、100メートル背泳ぎの寺川綾(28=ミズノ)が自身の持つ日本記録に0秒01と迫る58秒84の好タイムで5連覇を達成。400メートル個人メドレーでは大塚美優(18=日体大)が派遣標準を突破する4分37秒53で優勝した。

 大会3冠を達成した萩野は派手に喜びを表現した。100メートル背泳ぎ決勝。五輪メダリストの入江を0秒23差振り切ると「よっしゃー!!」と絶叫。ガッツポーズをつくり、こぶしで水面を叩いた。「53秒10は出来過ぎ。憧れていた入江さんと一緒に泳げることがうれしくて、しかも勝つことができた。お騒がせしました」。怪物ぶりを印象づけた18歳は、ちゃめっ気たっぷりに笑った。

 予選2種目をトップ通過し余力十分に午後の決勝に臨んだ。午後5時50分に、6冠への最大の難関だった200メートル自由形で自己ベストを2秒24も更新し、2つ目のタイトル奪取。20分後の100メートル背泳ぎも53秒10と自己記録を0秒48も縮め、同種目で世界と戦う52秒台を射程圏に入れた。ハードな日程も競技間の20分間はサブプールで約500メートルのクールダウン。背泳ぎ決勝の競技開始6分前に集合場所に駆け込んだが、動じることなく2つの自己ベストを並べた。

 今季は個人メドレーと200メートルの背泳ぎを優先的に強化。練習では松田丈志と競い合っているうちに「(競り合いに)強くなっちゃった」と日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(49)は証言する。背泳ぎではスタート、ターンなどの技術も向上し、萩野は「スタートの浮き上がりとドルフィンがうまくいった」と勝因を挙げた。 

 13日は400メートル自由形と200メートル個人メドレーに出場する。日本選手権での最多優勝は、松田丈志(2度)らが達成した4種目。200メートル自由形決勝で競り負けた松田も「萩野にこれまでの日本人の常識は通用しない。枠にはまらない選手」と絶賛する。萩野の理想像は08年北京五輪で8冠を達成したマイケル・フェルプス。この日の泳ぎを見る限り、「和製フェルプス」と称される日はそう遠くない。

 ▽競泳世界選手権代表選考 個人種目の代表は最大で2人まで選べる。原則として、日本選手権の決勝で日本水連が定めた派遣標準記録を突破し、2位以内に入った選手を代表とする。ただし、ロンドン五輪の個人種目でメダルを獲得した選手はその種目に限り、出場すれば最優先で選ぶ。枠が余れば別の基準で選考する場合もある。400メートル、800メートルリレーの代表は100メートル、200メートル自由形の結果で選考する。

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2013年4月13日のニュース