“鉄の女”北田　オトナのゴルフで３位発進

第１日、１番でティーショットを放つ北田瑠衣

女子ゴルフツアー　スタジオアリス女子オープン第１日

（4月12日 兵庫県三木市　花屋敷ゴルフ倶楽部よかわコース（６４４４ヤード、パー７２）
　ツアー通算６勝の北田瑠衣（３１＝フリー）が寒さと強風に耐え、１アンダーの７１で今季最高の３位発進した。１番でダブルボギーを叩いたが、その後４バーディーを奪取。３週連続で初優勝が誕生するなか、現役最長の１４８試合連続出場を続ける“鉄の女”が意地を見せた。ツアー未勝利の中村香織（２６＝フリー）が２アンダーでキム・ナリ（２７＝韓国）と並んで初の首位に立った。

　出だしのつまずきを克服する強い精神力が北田には備わっていた。１番の第２打は、強い逆風に遭ってグリーン手前の谷底へ。ダブルボギーを叩くも、北田は冷静だった。「もう、毎年入れてるんですよ、あの谷に。あれで吹っ切れました」。後半は「風をうまく利用できた」と、ボギーなしの３バーディーで巻き返した。

　０５年に宮里と組んで女子Ｗ杯を制した実力派も、はや３１歳。試合でも、大人の女性ならではのこだわりがある。スタート前に、カバンに忍ばせた「ＪＩＬＬ　ＳＴＵＡＲＴ」の香水をシュッ。普通に手首ではなく、帽子のつばにつけるのが北田流だ。「手首だと、熱で香りが早く飛んじゃうから」。ダウンを着込む寒さだった初日。甘い香水の香りがリラックス効果を生み、３年ぶりＶが狙える好位置に付けた。

　０８年日本女子オープンから現役最長の１４８試合連続出場を続ける。出場枠が限られた試合もあり、実力と体力があってこその偉大な記録だ。ツアーは３週連続で若手の初優勝者が誕生。「今ってパワーゲームだけど、その中でコツコツと」。さらりと口にした言葉にはベテランの意地も凝縮されている。