評議員会前に対策?“クロ認定”親方&力士、緊急会合

[ 2011年4月3日 06:00 ]

決起集会を終えて都内飲食店から出る(左から)山本山、白乃波、境沢、将司

大相撲八百長問題

 大相撲の八百長問題で関与が認定された23人が引退勧告などの厳罰を受けた1日の日本相撲協会理事会から一夜明けた2日、処分などに不満を持つ親方衆が都内で話し合いを行った。厳罰を言い渡された力士らも都内で会合を開くなど、協会執行部に反感を持つ協会員が動きだした。3日には、全親方や行司、力士の代表が参加する評議員会と、十両以上で構成する力士会(会長=横綱・白鵬)が開かれるが、協会執行部に対する反発の声が上がりそうだ。

 前代未聞の大量処分から一夜明けたこの日、八角親方(元横綱・北勝海)、伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)ら関与者を弟子に持つ7人を含む親方約20人が都内に集結。相撲協会の処分内容や特別調査委員会の調査手法に不満を持つ親方衆が意見をぶつけ合った。

 役員以外の親方衆で構成する年寄会として何らかの提案をするかについて、取材に応じた井筒親方(元関脇・逆鉾)は「具体的にそういう話はない」と説明した。しかし、協会執行部に対する不満は高まっている。

 3日に開かれる評議員会には役員を含む全親方に加え、力士や行司の代表が顔をそろえる。この席で放駒理事長(元大関・魁傑)らにあらためて説明を求める予定だ。親方衆からは「処分再考」や「役員解任」を求める声も上がっており、そうした要求を役員に突きつける可能性もある。

 一方、関与を否定して「引退勧告」を受けた20人の力士、親方のうち少なくとも17人が東京都墨田区のモンゴル料理店に集まった。参加した谷川親方(元小結・海鵬)は「きょうはご飯を食べて、励まし合っただけ。みんな気持ちに整理がつかないので」と趣旨を説明した。相撲協会は対象者に5日までに引退届を出すように求めており、応じなければ解雇など、より厳しい処分を下す方針。20人は厳しい立場に追い込まれており、今後に向けて意見を交換した。

 十両以上の力士が出席する力士会も3日に行われる。力士側からも処分に反対する意見が続出する見通しだ。

 この日も通常通り朝稽古を行った十両・安壮富士が「不満を通り越している。相撲をやめるつもりはない」と断言するなど、多くの力士、親方が処分を不当としており、法的手段を検討している者も少なくない。相撲協会が下した大きな決断の裏側で、多くの不満分子が結束し始めている。

 【親方衆の会合の主な出席者】八角親方、伊勢ケ浜親方、立浪親方、春日山親方、時津風親方、花籠親方、井筒親方、阿武松親方、追手風親方、錣山親方、二子山親方、常盤山親方、音羽山親方、大嶽親方、高田川親方、山響親方、小野川親方、宮城野親方

 【処分力士、親方の会合の主な出席者】谷川親方、幕内・徳瀬川、幕内・白馬、幕内・光龍、幕内・猛虎浪、十両・将司、十両・豊桜、十両・境沢、十両・霜鳳、十両・旭南海、十両・安壮富士、十両・若天狼、幕下・保志光、幕下・十文字、幕下・霧の若、幕下・白乃波、三段目・山本山 

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2011年4月3日のニュース