稀勢の里、まわし与えず一気押し 殊勲にも笑顔なし

[ 2011年1月20日 06:00 ]

<初場所11日目>2場所連続で白鵬を破った稀勢の里は支度部屋でペットボトルのドリンクを飲み干す

大相撲初場所11日目 

(1月19日 東京・両国国技館)
 稀勢の里が、昨年九州場所に続いて横綱の連勝を止めた。立ち合い、左の突き落としで相手の右差しを封じると同時に体勢を崩させた。あとは突きで押し込むのみ。

 「まわしを取られないように考えていました。それしかない」

 前回の対戦は左四つで休まず前へ出た。今度は持ち味である突き押し。いずれも持ち味の馬力を生かす形で、「四つ相撲で、格好良く(投げて)勝つタイプじゃない」と自らを分析し、前に出る相撲を磨いてきた成果が出た。

 「僕は胸を借りるだけで負けても当然。特別に気負うことはない。横綱の方に(重圧が)あったのかも。残り4日は(横綱への連勝を)プラスにしたい。気を引き締めていきます」

 支度部屋でも、国技館から引き揚げる際も笑顔は見せなかった。確かな手応えを感じつつも、大関を目指す男に満足感や達成感に浸る時間はない。

 ▽昨年九州場所2日目「白鵬―稀勢の里」VTR 立ち合いの張り差しで、白鵬は右をのぞかせて土俵際まで押し込んだが、稀勢の里に張り手を食らって動揺。白鵬は張り手を返したものの、バランスを崩してしまい左四つ右上手の形に。強引なすくい投げで体勢を整えようとしたが、稀勢の里は腰が低く動かない。苦し紛れの内掛けも通用せず、上手を引きつけられ寄り切られた。連勝が63で止まった白鵬は「これが負けか」と嘆いた。

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