ミスに泣いた日本、メダルはまた銀色「前に同じ光景を見た」

[ 2010年10月22日 08:40 ]

男子団体総合決勝、内村航平の平行棒

 【体操世界選手権】歓喜に沸く中国選手を目にした内村に、北京五輪の記憶がよみがえった。「前に同じ光景を見た。2年前も、ああ悔しいなと思った」。手にした団体総合のメダルはまたも銀色。今度こそ勝てると自信を持って臨んだだけに、悔しさは募った。

 息詰まる接戦だった。田中が着地で大きく崩れた3種目目のつり輪は中国と2点以上も差がつき、前半でリードを許した。内村、山室が16点台を並べた跳馬で8チーム中トップの得点をマークしてライバルとの距離を縮め、約0・8点と逆転可能な点差で最終種目の鉄棒を迎えた。

 ところが、中国より先に演技した得意種目で、再び日本は乱れた。最初の田中がつなぎ技でまさかの落下。最後の内村も流れが止まって点を伸ばせなかった。「失敗して勝てるほど甘くはない」と山室。余裕が生まれた中国は3人が安全に演技をまとめ、逃げ切った。

 内村と田中を除く4人の初代表が、予選より緊張感が増す決勝でも堂々と力を出し切ったことは収穫だ。山室や鉄棒で16点台を出した植松は、確かな手応えを口にした。

 北京では7点差以上と遠かった王者の背中は、2年間で約1点差まで一気に近づいた。世界選手権最後の団体優勝となった32年前のメンバーでもある塚原光男・日本選手団団長は「中国とはこういう戦いが当分続く。技術の差はない」。雪辱の舞台は、1年後の東京で待っている。(共同)

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2010年10月22日のニュース