浅田、まさかの８位発進…フリーで巻き返しへ

女子ＳＰ　８位の浅田真央

　【ＮＨＫ杯】世界女王の浅田にとって納得のいかない、まさかの８位発進となった。「一番悪いときの練習が、本番で出てしまった」。この日がお披露目だったＳＰで、黒の衣装に身を包んで物憂げなタンゴのリズムを刻んだが、完ぺきなジャンプは一度も見られず、本来の実力からは程遠かった。

　冒頭のトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）は両足で着氷。次の２連続３回転ジャンプも回り切れず、３回転フリップは１回転になった。今季から採点の要素が一つ減ったとはいえ、シニアの国際大会で自己最低の４７・９５点。「自分の演技ができなかったことで頭がいっぱい」と悔やんだ。
　地元の名古屋で開催されるＮＨＫ杯出場は今回が初めてだった。「たくさんの人が見に来てくれると思う。それをパワーに変えられれば」と強い思いで臨んだが、悔いの残る結果となった。
　先月２５日に２０歳の誕生日を迎えた。「昨シーズンを超えられるようなシーズンにしたい」と高い目標を掲げる。バンクーバー五輪金メダルの金ヨ児（韓国）は今季のＧＰシリーズ出場を見送った。この大会でも、五輪女子のメダリストは浅田だけと実績は抜きんでている。表彰台の真ん中を譲るわけにはいかない。フリーに逆転をかける。