スタート下げても最長不倒!五輪2冠“鳥人”アマン

[ 2010年3月8日 15:16 ]

 バンクーバー冬季五輪ノルディックスキー・ジャンプの個人種目で2冠を獲得したシモン・アマン(スイス)の勢いが止まらない。五輪の中断から明けたワールドカップ(W杯)個人第20戦(ラハティ=フィンランド)で圧勝し、自身初の総合優勝に大きく前進した。

 HS130メートル、K点116メートルの台で1回目に128メートルと誰よりも遠くへ飛んで首位に。圧巻だったのは2回目で、一人だけ1段低いスタート位置から最長不倒の131メートルをマークした。位置を下げたことで得たボーナス点を差し引いても最高得点となる圧倒的なジャンプを披露した。
 「五輪の疲れでいつものパワーがなかったし、重圧もあった。見た目ほど楽ではなかったよ」。2002年ソルトレークシティー五輪を含めた個人の金4個で史上最強のジャンパーの一人となった28歳は、相変わらず顔にあどけなさが残るが言葉には貫禄が漂う。
 スキーとブーツをつなぐ金具を新型に変えてから、W杯と五輪で4連勝。下からの風を当てやすいとされるこの金具はほかにも多くの選手が使用している。鍛え抜いた脚力と高度な踏み切り技術を兼ね備えるアマンだからこそ性能を最大限に引き出せたに違いない。
 総合優勝争いで2位のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)に107点差をつけた。残るW杯は3戦。総合優勝に「大きな目標だ。調子がいいので早く決めたい」と自信満々だった。(共同)

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2010年3月8日のニュース