ピン直撃スーパーショット!桃子 復活V!

[ 2009年8月10日 06:00 ]

<女子ゴルフ・アクサレディース最終日>今季初優勝に笑顔をみせる上田桃子

 女子ゴルフツアーのアクサ・レディース最終日は9日、北海道苫小牧市の苫小牧ゴルフリゾート72エミナGC(6375ヤード、パー72)で行われ、首位と1打差の4位でスタートした上田桃子(23=ソニー)が逆転で今季初勝利を挙げた。好調なショットを武器に68とスコアを伸ばし、通算11アンダーで有村智恵(21=日本ヒューレット・パッカード)、李知姫=イ・チヒ=(30=韓国)と並びプレーオフへ突入。2ホール目で第2打がピンに当たって10センチにつくスーパーショットからバーディーを決め、昨年6月のサントリー・レディース以来となる通算8勝目で復活ののろしを上げた。

 プレーオフ1ホール目で有村が脱落し、迎えた2ホール目の18番パー4。上田は第1打をミスして右のラフに入れた。優勝を争う李知姫はフェアウエー。「チヒ(李知姫)さんは絶対にバーディーチャンスにつけてくる」。そう覚悟はしたが、焦りはなかったという。
 実は1ホール目の同じ18番で“予行演習”ができていた。その時はピンまで残り131ヤードをPWで打ち、グリーン手前にショートさせていた。2ホール目のラフからの第2打もピンまで130ヤードとほぼ同じ距離。清水重憲キャディーのアドバイスで今度は番手を9Iに上げ、思い切り振り切った。ボールはグリーン手前で跳ね、ピンに当たって10センチにピタリ。会心のスーパーショットで1年2カ月ぶりの優勝を手繰り寄せた。「今週は今までの中で1、2位を争う指折りのショットができていました。ただ、それ以上に精神的に落ち着いていたのが大きかった。プレーオフになっても焦らずにできました」
 米ツアー優勝を目標に掲げて挑んだ今季は10位以内にすら入れず「どうしてこんなに練習しているのに勝てないのだろう」と精神的なスランプに陥った。米国に同行していた母・八重子さん(59)も「どうやって励ましていいか分からず、私もストレスで口の周りにヘルペスができてしまいました」と振り返るほどだった。転機は7月の全米女子オープン。師匠の江連忠プロに「おまえの最終的な目標は全米女子オープンに勝つことだろう。そのための練習に集中すればいいじゃないか」とカツを入れられ、目が覚めた。「それまでは、ただ米国で勝ちたいというだけで漠然と練習をしていました。目標を絞ったことで、ラインを出して打つドライバーの練習とか、やるべきことがはっきりしました」
 春先はホームシックにかかったが、再び米ツアーに挑戦する意欲も高まった。「これからは向こうで出られる試合は全部出ます。来年もフル参戦します」。今週は先に米ツアー優勝を飾った宮里藍も出場するNEC軽井沢72に挑む。復活の手応えをつかんだ上田なら、自身初の2週連続優勝も十分期待できそうだ。

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2009年8月10日のニュース