遼くん 600Yのロングホール攻略が鍵

[ 2009年8月10日 06:00 ]

<全米プロゴルフ選手権 練習日>雨の影響でラウンド出来なかった石川遼は18番ホールで傘を手にスイング

 石川遼(17=パナソニック)がメジャー最長のモンスターコースに圧倒された。8日に全米プロ選手権(13日開幕、米ミネソタ州)の会場、ヘーゼルティン・ナショナルGCで初練習。前夜の雷雨によるコースコンディション不良でラウンドはできなかったが、全ホールを歩いてチェックし、コース攻略の鍵として600ヤードを超える長いパー5の攻め方を挙げた。

 練習ラウンドは2日続けてお預け。石川は加藤キャディーと2人でコースを歩くことだけを許可された。クラブの代わりに傘を手にし、時折傘で素振りをしながら約3時間かけて視察したが、歩いただけでそのタフさは十二分に感じ取れた。
 「長くて狭い!長い割に池がいいところに配置してあって、難しいとはこういうことを言うのかと思った」。フェアウエーは狭く絞られており、ラフも「ショートアイアンで打つのが精いっぱい。今までやってきたコースで一番深いかも」と感じたという。グリーンは小さいだけでなく奥に向けて下っているホールが多く、セカンドショット以降も高い精度が求められる。
 全長はメジャー最長の7674ヤード。中でも強烈に長さを感じたのが、633ヤードの3番と642ヤードの15番という2つのパー5だった。ティーショットを1W、2打目を3Wで打っても、なお100ヤード弱の距離が残ってしまう。しかも、100ヤード近辺には狭いフェアウエーや傾斜、サイドからせり出す木など、打ちにくくなる仕掛けがしてある。それを避けて刻めば、3打目は150ヤード近い距離が必要になる。
 「簡単にバーディーが取れるロングは1つもない。ただし、ロングが唯一のチャンスであることも確かです」。優勝した先々週のサン・クロレラ・クラシックではパー5で2オンを狙い、通算17アンダーのうち16アンダーをパー5で稼いだ。今回は簡単にはいかないが、パー5でのバーディー数がスコアのカギを握ることに変わりはない。
 さらに、加藤キャディーによれば、248ヤードの13番パー3ではティーショットでドライバーを持つ可能性すらあるという。「きょうの風なら3W。でも、もっと強いアゲンストになれば1Wでしょうね」。日本ではトップ10に入る飛ばし屋の石川も、米ツアーでの平均飛距離は48位。メジャー初の予選突破へ向け、次元の違う距離での戦いが待っている。

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2009年8月10日のニュース