シドニー金から8年…ご苦労さま

[ 2008年10月28日 11:26 ]

 「Qちゃん」の愛称で親しまれたマラソンの高橋尚子(36)が28日、ついに引退を決意した。シドニー五輪で日本女子陸上初の金メダルに輝いてから8年。夢を追い走り続けた国民的ランナーに、両親や恩師らは「長い間、お疲れさま」と口をそろえた。

 高橋は北京五輪代表をかけた3月の名古屋国際女子マラソンで失速。五輪切符は逃したが「新しいことにチャレンジしたい」と国内の3大国際女子マラソンすべての出場を目指し、米国で練習を積んでいた。
 父良明さん(67)は引退の決意について「長い間、よく頑張った。人生を80年とすると、尚子の人生は半分もたっていない。まだ午前11時ぐらい。これからのことはじっくり考え、ゆっくりと人生を歩んでほしい」とコメントした。
 「走るのが大好きな子だから、走るのが嫌でやめるのではなく事情があるのだろう」と言うのは、岐阜県立岐阜商業高校時代の恩師、中沢正仁教諭(40)。「ご苦労さんと言ってあげたい。今後も新しいことにチャレンジしてほしい」とエールを送った。
 レース前に合宿を重ねてきた鹿児島県・徳之島の宮田益明・天城町観光協会長(62)には28日朝、高橋の所属事務所から電話があった。宮田会長は「突然の引退に寂しさもあるが、体力も限界に来ているのだろう。Qちゃんは徳之島の誇り。町を挙げて記念セレモニーを催したい」と話した。

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2008年10月28日のニュース