トップレベルの走り戻らず…高橋尚子が現役引退 

[ 2008年10月28日 07:20 ]

2000年9月、シドニー五輪で優勝、表彰式で、金メダルを手に笑顔を見せる高橋尚子選手

 2000年シドニー五輪女子マラソンで、日本女子陸上界初の金メダルを獲得した高橋尚子(36)=ファイテン=が現役引退することが28日、分かった。同日夕、東京都内で引退会見し正式に発表する。

 高橋は11月の東京国際、来年1月の大阪国際、同3月の名古屋国際と続く日本の3大女子マラソン連続出場を目指し、5月末から米コロラド州ボールダーで高地合宿を続けてきた。だが関係者によると、現地での調整が思うように進まず、今後トップレベルでの走りをすることは難しいと判断。予定していた東京国際以降のレース出場を断念し、一線から退くことを決めた。高橋は11月6日の予定を早めて26日に帰国した。
 「Qちゃん」の愛称で親しまれる高橋は小出義雄氏の指導の下、シドニー五輪で日本の陸上界に戦後初の金メダルをもたらし、国民栄誉賞を受賞。01年ベルリン・マラソンでは2時間20分を初めて突破する2時間19分46秒の当時世界最高記録をマークした。だが、04年アテネ、08年北京の両五輪は代表入りを逃した。

 ◆高橋 尚子(たかはし・なおこ)岐阜・県岐阜商高から大阪学院大に進み、95年にリクルート入社。97年に小出義雄監督と積水化学へ移籍。マラソン2度目の98年名古屋国際を当時日本最高の2時間25分48秒、同年バンコク・アジア大会は2時間21分47秒で優勝。00年シドニー五輪で日本陸上女子初の金メダルを獲得し、国民栄誉賞も受賞。翌年のベルリン・マラソンは2時間19分46秒の当時世界最高を樹立。03年に積水化学を退社。05年に小出監督から独立し、専属スタッフと「チームQ」を結成し北京五輪を目指したが04年アテネ五輪に続いて代表入りを逃した。163センチ、46キロ。36歳。岐阜県出身。

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2008年10月28日のニュース