冷静な現場…高橋尚子去っても影響少ない

[ 2008年10月28日 20:52 ]

 シドニー五輪優勝の高橋が第一線を去る。だが日本陸連のある強化関係者は「次のロンドン五輪に向けて、期待の選手とは考えていなかった。強化への影響は少ない」と冷静に受け止める。

 3月の名古屋国際で27位に惨敗した高橋は既に強化指定選手から外れていた。日本陸連内には日本の三大マラソン連続出場を表明したときから、冷ややかな目があったのも否定できない。
 現在の日本の勢力図はアテネ五輪女王の野口みずき(シスメックス)が中心を占める。北京五輪を欠場してもなお、エース格に見られる状況が続く。ただ、河野匡マラソン部長は「結果的に野口が代表に入ってくれる分にはいいけど、今からロンドン五輪で頼りにすること自体が酷」と30歳のベテランに期待が集中することに警鐘を鳴らす。
 日本女子にはかつての層の厚さはない。北京五輪13位の22歳、中村友梨香(天満屋)を含む若手が、野口に近づく実力をつけるまでにはまだ時間がかかりそうだ。福士加代子(ワコール)やこの冬のマラソン出場を予定する赤羽有紀子(ホクレン)ら、トラックで実績のある選手を含めた新戦力の台頭が待望されている。

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2008年10月28日のニュース