柔道ニッポン復活へ!篠原氏が男子監督に

[ 2008年10月28日 06:00 ]

全日本男子監督に就任する篠原氏

 柔道の全日本男子監督に現天理大柔道部監督の篠原信一氏(35)が就任することが27日、明らかになった。世界ジュニア選手権が行われたタイ・バンコクから成田空港着の航空機で帰国した全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長(57)が「びっくりするような人物かもしらんし、そうかと思う人物かも。すり合わせは終わった。あとは手順を踏むだけ。できれば(来月)1日から新体制を発足させたい」と話し、すでに話し合いが終わっていることを示唆した。

 00年シドニー五輪後に就任した斉藤仁監督は今月いっぱいで任期満了。協会幹部は07年世界選手権で金1個、北京五輪でも金2個に終わったことを踏まえ、強化スタッフの一新を図っていた。そこで白羽の矢が立ったのが指導者やテレビ解説者として柔道の普及に尽力してきた篠原氏だった。
 篠原氏は98~00年に全日本選手権を3連覇し、99年世界選手権では100キロ超級と無差別級の2階級制覇を達成。00年シドニー五輪は決勝で、のちに国際連盟が誤審と認めた判定の末にドゥイエ(フランス)に敗れて銀メダルだったが、言い訳をしない姿が日本中の感動を呼んだ。また、現役時代から後輩の面倒見が良く、多くの選手に慕われる存在。テレビ解説を務めた北京五輪では、100キロ超級金メダルの石井慧(国士舘大)がインタビューで奔放な発言を繰り広げると「しゃべらせない方がいい」と苦言も呈した。
 吉村強化委員長は今週中にも正式に監督就任発表を行う考えを明らかにした上で「頭(監督)が決まれば、あとは決まっていくだろう」とスタッフも近日中に発表することを示唆した。全日本コーチ経験なしでの監督就任は異例の抜てき。12年ロンドン五輪へ向け巻き返しを図る日本柔道のかじ取りは、日本が誇る近年最強柔道家に任されることになった。

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2008年10月28日のニュース