コーチ不在の限界か…Qちゃん現役にピリオド

[ 2008年10月28日 09:42 ]

08年3月、名古屋国際女子マラソンで、うつむきながらゴールに向かう高橋尚子

 「Qちゃん」の愛称で国民的人気を博したランナーが選手生活にピリオドを打つことになった。高校、大学時代は全国的には無名だった。だが、誰よりも走ることが大好きな高橋の才能は名伯楽、小出氏の指導で開花し、8年前のシドニー五輪で日本陸上界に女子初の金メダルをもたらした。

 翌年の2001年ベルリン・マラソンでは女子で初めて2時間20分の壁を破る2時間19分46秒をマーク。04年アテネ五輪に向け、女子マラソン史上初の五輪連覇の期待が高まった。だが、五輪代表入りをかけた03年の東京国際女子マラソンでまさかの失速。このころから輝かしい競技生活に影が差し始めた。
 05年5月には10年に及んだ小出氏との師弟関係を解消し、専属スタッフと「チームQ」を結成して北京五輪を目指す態勢を整えた。同年11月の東京国際こそ右ふくらはぎの肉離れを抱えながら復活優勝を遂げたが、07年世界選手権(大阪)代表を狙った06年東京では再び失速した。
 北京五輪を目指した3月の名古屋国際は昨年8月に受けた右ひざの手術の影響や体調不良で序盤に早々と先頭集団から脱落。自己最悪の2時間44分18秒、27位に終わった。特定のコーチを持たない限界を指摘する声を封じ込めることはできなかった。

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2008年10月28日のニュース