厳しい~現実知った遼くんが方針転換

[ 2008年5月24日 06:00 ]

マンシングウェアオープン・2日目の9番、ガックリとホールアウトする石川遼(右)

 マンシングウェアKSBカップ第2日は23日、岡山県東児が丘マリンヒルズGC(7072ヤード、パー72)で行われ、初日に130位と大きく出遅れた石川遼(16=パナソニック)は、後半の5番パー5でイーグルを奪うなど67で回るチャージを見せたが通算1オーバーの77位に終わった。カットラインには2打及ばず、ツアーでは初めてとなる3試合連続の予選落ち。昨年は華々しくツアー最年少優勝を飾った大会で、王者があっさりと姿を消した。谷原秀人(29=フリー)が通算12アンダーで単独首位に立った。

 記者会見を終えた石川は「終わったかあ~」と悔しさをかみしめるようにゆっくりと立ち上がった。「寂しいですね。あと2日間プレーしたかった」。1年前は喜びに震えた大会で、待っていたのは3戦連続予選落ちという厳しい現実だった。
 出だしの10、11番以外は前日よりシャフトを0・5インチ短くした1Wで安定したティーショットを見せた。「きょうは別人のようなゴルフができた。いいゴルフができて幸せで楽しかった」と前半で2つスコアを伸ばし、後半の5番パー5では残り268ヤードから5Wで2オンに成功。3段グリーンの2段目から上の段を狙う10メートルのイーグルパットを沈めるなど、終わってみれば4月25日のつるやオープン第2ラウンド以来、8ラウンドぶりのアンダーパーをマークした。
 しかし、78を叩いた初日のビハインドは大きく、2打及ばずに予選落ちとなった。前日のスタートホールでは、ラフにあったボールを見つけられず、ロストボールに。「自分が甘いと思ういい経験だった」と振り返ったが、結果的にはそのダブルボギーで失った2打が大きく響いた。
 ツアー転戦の疲労や先々週にひいた風邪の影響で食欲は減退。今大会前は試合に疲れを残さないためにトレーニング量も普段より減らした。その影響で筋肉が落ち、体重は2キロも減った。経験の浅いプロ1年生が悪循環の中で好成績を望めるはずはなかった。
 「僕が本当にずっと予選を通る実力があるとは思えない。賞金も開幕戦で稼いだ分しかないし、日本一なんて遠い話だと思う」。前日のラウンド後には仲田健トレーナーと「やっぱり1年間を通した体づくりをしていこう」と今後の方針を確認し合った。だから前夜もこの日の朝も、この日コースを離れてからも石川はトレーニングに励んだ。26日には全米オープン日本最終予選、29日からは三菱ダイヤモンドカップが始まる。思い出の場所で味わった悔しさから石川は再スタートを切る。

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2008年5月24日のニュース