真央やった!逆転初優勝!

[ 2008年3月21日 06:28 ]

世界選手権で初優勝を飾った浅田真央

 フィギュアスケートの世界選手権第3日は20日、イエーテボリ(スウェーデン)で行われ、女子は前回2位の浅田真央(愛知・中京大中京高)がショートプログラム(SP)2位からフリーで逆転し、185・56点で初優勝した。

 日本選手の優勝は1989年の伊藤みどり、94年の佐藤有香、2004年の荒川静香、昨年の安藤美姫(トヨタ自動車)に続いて5人目。浅田真は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で失敗したものの、その後は立て直した。
 SP3位だった中野友加里(早大)はフリーも好演技ながら177・40点の4位でメダルを逃した。左ふくらはぎを痛めてフリーを棄権する見通しだった安藤は、強行出場したが演技途中で棄権した。
 SP1位のカロリナ・コストナー(イタリア)は184・68点で2位。SP5位と出遅れたキム・ヨナ(韓国)がフリーで1位となり、183・23点で3位に食い込んだ。

 ≪転倒乗り越え好演技≫深紅の衣装に身を包んだ浅田真に万雷の拍手が降り注ぐ。首には金色に光るメダル。「すごくうれしいし、すごくいい思い出になった」。北欧の地で、日本選手では最年少となる17歳の世界女王が誕生した。衝撃の幕開けだった。大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の踏み切りで刃を滑らせて転倒。跳ぶことすらできず、場内はどよめいた。強打した腰には裂傷を負っていた。だがここからが圧巻だった。「あとは練習通りにやろうと思った」と即座に気持ちを切り替え、次の2連続3回転ジャンプを鮮やかに決めた。その後もショパンの名曲「幻想即興曲」に高難度のスピンとジャンプを織り交ぜた。ロシアでバレエを学び、深みを増した表現力の得点はフリー1位のキム・ヨナを上回った。
 得点源のトリプルアクセルの得点は0。転倒でさらに1点引かれた。それでも0・88点差でコストナーを抑えた。今大会に向けてスピンの直後に跳んでいた2回転半ジャンプを前にずらし、十分な助走から踏み切れるように修正。流れるようなジャンプでジャッジの加点を引き出した。緻密に練られた戦略も接戦を制した要因だった。小差で優勝に届かず、トイレに閉じこもって涙した東京大会から1年。平成生まれの天才スケーターに至福の瞬間が訪れた。(共同)

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2008年3月21日のニュース