安藤 強行出場も演技途中で棄権

[ 2008年3月21日 06:01 ]

強行出場したが、ジャンプで転倒する安藤

 フィギュアスケートの世界選手権第3日は20日、イエーテボリ(スウェーデン)で行われ、左脚故障で女子フリーを棄権する見通しだった昨季の優勝者、安藤美姫(トヨタ自動車)は強行出場したが、演技途中で棄権した。

 左ふくらはぎの肉離れを押して氷に立った安藤は、2度試みたジャンプで失敗すると、次に予定していた3回転フリップは踏み切るのをやめ、ジャッジ席に進み出て続行不能を伝えた。2度目に跳んで転倒したサルコーは4回転も成功している最も得意なジャンプ。「失敗したことのない3回転サルコーを失敗した時点で無理だなと思った。応援してくれた方々に申し訳ない」。1年前は初優勝の歓喜に包まれた舞台で、悲しみの涙がほおを伝った。
 異変は午前の公式練習前のウオーミングアップで起きたという。陸上でジャンプした時に「ピリピリときた」。スケーティングへの影響を確かめるために氷に乗ったが、ジャンプをせずに約10分で切り上げた。モロゾフ・コーチが日本チームに状況を伝え、一度は棄権の手続きが進められたが、本人の強い希望で撤回された。注射と飲み薬で痛みを抑えたものの「筋肉が動かないし、フィーリングもなかった」という。傷ついた女王がリンクを去る時、温かい励ましの声援が送られた。(共同)

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2008年3月21日のニュース