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梅山修氏 J1新潟、相手陣内で意図的にボール奪って生まれた得点

[ 2023年5月17日 04:30 ]

横浜戦でゴールを決めて喜ぶ伊藤(左)
Photo By スポニチ

 【元アルビ・梅山チェック 新潟2―1横浜】直近4試合の比較では、勝利のなかった新潟が、負けなしの横浜をホームに迎えた一戦。もしかしたら新潟のここ数試合は、この日の勝利を想定した上で逆算からメンバー編成を含めたチームづくりをデザインしてきたのではないか、と思ってしまうような高完成度な新潟スタイルを披露した。

 どんな強敵相手にも自陣からつないでいく力があることは既に実証しているし、現時点では自陣からビルドアップする力は国内屈指と言っていい。それが前から来るチームに対しては特に効果的であることはこの日も十分証明した。

 まずそれを認識した上で、この試合で感じたポイントは2つの守備。ボールを奪う守備とゴールを守る守備。前者の主たる目的はゴールを奪うため。実際に新潟の2つのゴールは相手陣内でボールを意図的に奪ったところから生まれている。特に後半12分の伊藤の同点弾は、相手CBが深い位置でボールを持った時に、まず(1)鈴木が外に向かせる(2)外は三戸がSBの正面に立つことで幅を使わせない(3)CBは縦パスに限定され、そこを高が狙いすまして奪う。このシーンで、連動した守備で奪ったボールが今度は奪った高から三戸→鈴木→伊藤と守備の連動が攻撃の連動に逆回転してボールが渡っていった偶然は、なかなか興味深い。

 一方、ゴールを守る守備ではクロスからの失点を減らしたい。もちろん4人のDFだけの問題ではなく、まずは蹴らせないこと、次に蹴られる前に素早く相手とボールを認識できる位置を取り、自分のつくべきマークに責任を持つことを徹底したい。

 横浜、広島、川崎Fなど前から奪いに来るチームに勝利し、名古屋、横浜FC、FC東京、鹿島など待ち構えてきたチームには敗戦していることからも、勝敗は相手の順位が示す強弱とは関係なく、スタイルの相性に影響されている状況と言っていいだろう。これはサッカー的、戦術的な視点では大変面白い時代になったと言えるが、新潟なら相手の対策も超えていけるだろう。(アルティスタ浅間監督)

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