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フランス 故障者続出でも日替わりヒーロー出現 デシャン監督「チームスピリット示した」

[ 2022年12月15日 17:50 ]

FIFA W杯カタール大会決勝T準決勝   フランス2ー0モロッコ ( 2022年12月14日    アルバイト競技場 )

<フランス・モロッコ>前半、先制ゴールを決めたフランス代表テオ・エルナンデス(中央)(AP)
Photo By AP

 サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント準決勝、前回王者のフランス代表がモロッコ代表に2―0で勝利。2大会連続4回目の決勝進出を決めた。18日の決勝では史上3カ国目の連覇を目指しアルゼンチン代表と激突することになった。

 アフリカの雄を攻略する突破口はテオ・エルナンデスが開いた。開始5分、グリーズマンが右サイドを切り崩すと、左サイドから駆け上がる。シュートを放ったエムバペにGKも含めた相手選手8人の注意が集中した中、ゴール左前でこぼれ球に反応。頭の位置まで高く弾んだボールを左足を振り上げて捉え、ゴールに叩きつけた。

 相手はここまで5試合で失点がオウンゴールによる1失点のみという驚異的な守備力を誇ってきたモロッコ。対戦相手の選手として初めてゴールをこじ開け、流れを呼び込んだヒーローは「難しかったが、いい仕事ができた。兄と喜びを分かち合いたい」と笑った。

 故障者の穴を埋め、勝ち上がってきたフランスを象徴する存在だ。オーストラリアとの1次リーグ第1戦(11月22日)で先発した兄リュカが開始9分に右膝を負傷。大会中の復帰が絶望となる重傷で離脱を強いられ、交代で緊急出場したのが弟テオだった。昨年10月にフランスでは47年ぶりという代表戦同時出場を果たしたエルナンデス兄弟が、今大会では左サイドバックの役割をリレー。兄の代わりに先発に定着した弟はDFながら攻撃参加で発揮する持ち味を生かし、ここまで1得点2アシストとチームを支えてきた。

 後半34分は負傷者の代替要員として招集された23歳のFWコロムアニが、交代出場から44秒のファーストタッチでモロッコにとどめを刺す代表初ゴール。イングランドとの準々決勝(10日)では前回18年ロシア大会優勝を支えたカンテ、ポグバのMFコンビ欠場で先発に定着した22歳のチュアメニが先制ミドル弾を決めた。今大会4得点のFWジルーは開幕直前に離脱したベンゼマの代役として役割を果たし、5得点のエースFWエムバペを軸に全選手が足りない部分を補い合ってきた。

 「簡単ではなかったが、我々はクオリティーや経験、そしてチームスピリットを示した」とデシャン監督。選手として地元開催の98年大会を制した元主将は、18日には2大会続けてW杯決勝で指揮を執る史上4人目の監督になる。勝てば58、62年大会のブラジル以来となる連覇。苦境を乗り越え「最後の一歩」と大一番を見据えた。

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2022年12月15日のニュース