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アルゼンチン・アルバレス2発 22歳の次世代エース、メッシの背中追う

[ 2022年12月15日 03:00 ]

FIFAワールドカップカタール大会準決勝   アルゼンチン3-0クロアチア ( 2022年12月13日    ルサイル競技場 )

<アルゼンチン・クロアチア>前半、2点目を決めたアルゼンチン代表FWアルバレス(中央)(AP)
Photo By AP

 マン・オブ・ザ・マッチはメッシに譲ったが、匹敵する輝きを放った。W杯準決勝でアルゼンチンのアルバレスが2ゴールなど全3得点に絡んだ。

 「個人としても、グループとしてもとてもいい試合だった。僕らが望んでいた勝利だ」

 幼い頃からメッシに憧れていた22歳の次世代エース。初出場のW杯は控えで開幕したが、3戦目から先発昇格を果たすと、そこから4戦4発と勢いが止まらない。

 本人が「4、5歳の頃から誰も本名を呼んでくれない」と苦笑いするあだ名の「アラーニャ」はスペイン語でくもを意味。すばしっこい動きで足元に優れ、足が何本もあるように誰もボールを奪えないことから付けられた。1―0の前半39分に50メートルを走り抜いて追加点を挙げた場面では2度も失いかけたボールがアルバレスにからめ捕られるように戻り、最後は右足で押し込んだ。

 メッシが前半34分に先制点を決めた場面では最終ラインの裏に抜け出して相手GKに倒され、PKを誘発。後半24分にはエースの折り返しを蹴り込んだ。

 母国のリバープレートに在籍した1月にマンチェスターCと5年半契約を結んだ。今夏の本格稼働後は怪物FWハーランドの陰に隠れてきたが、同僚のノルウェー代表が不在のW杯で強烈な存在感を発揮。メッシから試合後に「誰よりも傑出していた。自分なら彼を(マン・オブ・ザ・マッチに)選ぶ」と最大級の賛辞を贈られた。

 「成し遂げたことには満足している。もっと狙っているけどね」

 メッシの5得点は3点がPKだが、新鋭は4得点全てが流れの中から。価値ある数字とともに決勝へ向かう。

 ≪準決勝負けなし≫アルゼンチンはW杯準決勝の“全勝神話”を維持した。1930年は米国に6―1、86年はベルギーを2―0で撃破。公式記録上は引き分け扱いとなるが、90年は延長1―1の末にイタリアとのPK戦を4―3で制し、2014年は延長0―0からオランダをPK戦4―2で破った。

 ◇フリアン・アルバレス 2000年1月31日生まれ、コルドバ州カルチン出身の22歳。11歳でRマドリード下部組織加入の話があったが、年齢制限で見送られてリバープレート入り。5月にリベルタドーレス杯で1試合6得点を記録した。1月に移籍金1400万ポンド(約23億円)でマンチェスターCと契約。国際Aマッチ18試合7得点。1メートル70、71キロ。

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2022年12月15日のニュース