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大久保嘉人氏 1次L突破した10年W杯の代表秘話 大会前に「選手だけで」話し合い「もうケンカ」も…

[ 2022年11月19日 12:54 ]

元サッカー日本代表の大久保嘉人氏
Photo By スポニチ

 サッカー元日本代表の大久保嘉人氏(40)が19日放送のフジテレビ「週刊フジテレビ批評」(土曜前5・30)に出演。2010年W杯南アフリカ大会での日本代表の秘話を明かした。

 日本代表としてW杯南アフリカ大会、2014年W杯ブラジル大会に出場した大久保氏。岡田武史氏が率いた南アフリカ大会では本番直前は練習試合を含む5試合勝ち星なしという状態で、厳しい声が上がっていたが、大会では1次リーグを2勝1敗で突破、日本国内では手のひら返しのフィーバーとなった。

 サッカー元日本代表の永島昭浩氏(58)から南アフリカ大会について「大会始まる前は結構きつかったんと違うんですか」と聞かれると、全4試合にスタメン出場した大久保氏は「そうですね。メチャクチャ言われましたからね」。チーム内の雰囲気は「その時はメチャクチャやばかったです」と振り返った。

 「これは勝てないと。何かを変えないといけない、それで選手をみんな集めて。選手だけで円になって。座って、1人ずつ思っていることを言って行こう」とベテラン選手が声をかけ、南アフリカ入りする前日にホテルで話し合いを行ったという。

 「で、1人ずつ、思ったことを言っていく。前の選手は“前からいきたい”、でも後ろの選手は“前から行くと、ギャップが開くから行くな”もうケンカですよ」と回顧。大久保氏自身は「ブロック組んでもどうせやられるんだから、前からプレスかけてはめて行こうよ」と訴えたとし、「前の選手は、ほぼほぼそうなんです」と続けた。

 「結局、その話を岡田監督に言いに行って。システムががらっと変わりましたね」と岡田監督が選手の話を参考に最終決断。大久保氏は「それをするにはどういうメンバーでやった方がいい、だから本田圭佑は1トップだったんです」と語った。

 「その時期の俺らからすれば“なんで本田1トップなの?”って。やったこともなかった。けど岡田さんからしたらそれが良くて。僕と松井大輔、いかにもさぼりそうな2人を一番きついところ(両サイドのMF)に置きましたから。それは監督しか分からない。で、阿部勇樹をアンカーに置きまして」と大久保氏。献身的に動いていたと言われると「(さぼりそうという)それを覆してやろうという気持ちで走りましたよ」と笑顔を見せた。

 選手だけのミーティングは「凄く生きて。あれがなかったらもうたぶん崩壊してたと思う」と満足げ。自身のプレーについては「とりあえずもう走る。走ってみてもらう。で、僕左サイドで長友佑都が左サイドバックだったんで、“俺が持ったらお前、絶対走れ、俺を絶対追い越せ”という話をしてたんです。“でも俺は(パスを)出さないけど。出さないけど走れ、そしたらDFがついて来てくれる。その代わり、守る時は絶対佑都を助けに俺は戻るから”っていう、そういう絆ってのはありましたね。それは松井さんもあったと思いますし」と説明した。

 1次リーグ突破を決めた際のロッカールームの様子は「その時は凄い盛り上がりました。あんなに良くなかったのに、凄くオランダ戦(2戦目)に負けても自信に満ちあふれていて。絶対デンマーク(3戦目)はいけると」と回顧。岡田監督については「凄く伝え方がうまいです。“岡田さんのためにやってやる”っていう思いが出てきますし」と語り、チームのまとまりについても「凄かったです。給水する時なんか、試合に出てないベテランの選手が持って来て、“飲め”って。ああいうのされるとその分やらないといけない、って気持ちになったので、あそこは凄いなと思いました」と懐かしそうに振り返った。

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2022年11月19日のニュース