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キング・カズが贈った鈴鹿再起へ不屈の金言「BOA SORTE」 来季J3昇格消滅受け仲間にLINE

[ 2022年6月30日 04:50 ]

4月10日、チームメートを鼓舞する鈴鹿PG・三浦(中央奥) 
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 28日のJリーグ理事会で「百年構想クラブ」資格を剥奪され、来季のJ3昇格の可能性がなくなったJFL鈴鹿ポイントゲッターズが一夜明けた29日、三重県津市内で公開練習を行った。所属する元日本代表FW三浦知良(55)は右太腿痛の治療で不在だったが、騒動を受けて全選手・スタッフが参加する「グループLINE」に魂のこもった言葉を送信していたことが判明。リハビリが続くキングが、失意の仲間たちを鼓舞した。

 自らも幾多の困難や挫折を乗り越えてきたから今、鈴鹿が陥っている苦境が分かる。今季JFLで「4位以内」という成績の条件を満たしても、来季鈴鹿がJ3に昇格することはなくなった。失意の仲間へ、共有するグループLINEで贈った言葉は、いかにもカズらしいものだった。

 「人生というのは、成功の数よりもはい上がる数の方が大事。BOA SORTE」

 「BOA SORTE」はポルトガル語で「幸運を!」を意味する。ブラジルでは試合へ向かう選手、監督、スタッフにみんながかけ合って健闘を誓い合う言葉。カズの座右の銘で自身のオフィシャルサイトのタイトルとしても掲げている。つらいとき、苦しいときに支えてくれた大切な言葉をこのタイミングで発信したカズに、兄・泰年監督は素直に感謝の言葉を並べた。

 「カズの気持ちは分かっているつもりでいる。いつでもクラブ、チームメートのことを考えている男。この状態を、弟も含めて乗り越えていきたい。努力した数、準備した数だけ、幸運が訪れる。現場が衰退してはいけない。信念を持ってはい上がる」

 55歳に力をもらったチームは7月2日、ホームでの奈良クラブ戦でリスタートする。23年シーズンのJ3昇格はなくなったが、今季の残り試合が消えてなくなるわけではない。カズ自身、この日、リハビリのために練習場には現れなかったが、5月15日のホンダFC戦で負った右太腿痛からの復帰へ不断の努力を続ける。そしてチームも最高気温34度の炎天下で、この“金言”を胸に汗を流した。

 11月には「百年構想クラブ」へ再申請も可能となる。「再申請してほしいとJ(リーグ)から言われている」と泰年監督は明かしたが、道のりは決して平らではない。27日には指揮官自身が新代表取締役GMに就任し、役員を一新するなど、クラブは生まれ変わろうとしている。過去を振り返っている暇はない。カズとともにJの舞台へ、鈴鹿は前だけを見て進む。

 ≪9・4復帰照準≫カズが、ホームでのダービーマッチとなる9月4日・ヴィアティン三重戦を復帰目標として照準を合わせていることが判明した。痛めている右太腿の状態は一進一退。本隊への完全合流には至っていないが、7月30日の敵地・ホンダFC戦以降約1カ月間、リーグ戦は中断期間に入る。これを活用し、実戦で動ける状態まで持っていく方針という。

 ≪カズの主な名言≫☆「1%あるんですね?じゃあ、僕はその1%を信じます」(高校時代の監督にサッカー留学を「99%無理」と言われて)

 ☆「魂こめました、足に」(92年アジア杯のイラン戦で劇的ゴールを決めて)

 ☆「誇りを持って日本代表でやってきたので、絶対に自分自身納得しちゃいけないことでもある。魂みたいなのは向こうに置いてきたと思っている」(98年W杯フランス大会の登録メンバーから外れて)

 ☆「できることなら選手のまま死にたい。死んだ時に“三浦知良 サッカー選手~歳”というふうにね。元選手の元はつかなくていい。50歳なんてまだ子供だよ」(17年1月1日の本紙「グアム自主トレ独占取材」で)

 ☆「成功した時にスポーツ紙の1面になるのは普通の選手。失敗した時にスポーツ紙の1面になる選手は限られている。1面で失敗を取り上げられ叩かれることに誇りを持てばいい」(五輪柔道女子48キロ級金メダリスト・田村亮子さんが、イチローさんとの対談で「カズさんに言われた」と明かす)

 ▽JFL鈴鹿の準加盟資格剥奪 一昨年にクラブ幹部による意図的な敗退行為の指示があり、今年2月に解除条件付きで資格停止処分。6月27日には全役員が辞任して新体制を発足させたが、Jリーグ理事会はガバナンス(組織統治)改善などが不十分で解除条件を満たせないと判断。オーナーが大部分を保有する株式の最終的な譲渡先が決まっていない点を特に問題視し、準加盟に相当する「百年構想クラブ」の資格を剥奪した。

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