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川崎F・FW遠野大弥 JFLから成り上がり福岡昇格貢献ストライカー

[ 2021年2月9日 05:30 ]

26日開幕 J1注目の新戦力(5)

川崎F・FW遠野大弥
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 1年間の武者修行を終え期待の若きストライカーが“復帰”を果たした。JFLのホンダFCから加入した昨季、そのままJ2福岡に期限付き移籍したFW遠野大弥(21)だ。福岡ではプロ1年目ながらいきなり11得点をマークし、チームのJ1昇格に貢献。「自信につながった」と成長を遂げ、今季から晴れてリーグ王者の一員となった。

 異色の経歴の持ち主だ。藤枝明誠では3年時の17年に全国選手権に出場。だがプロからの誘いはなく、大学進学を決めていた。そんな時に届いたのがホンダFCからのオファーだった。ホンダFCでは午前に自動車部品を検品し、午後に練習するハードな日々の連続。当初「プロに行く気持ちはさらさらなかった」という。転機は19年度の天皇杯。遠野はJクラブ相手に得点を重ね、チームをベスト8にけん引。その姿が川崎Fスカウトの目に留まった。

 ホンダFCの大先輩の一言もきっかけだった。昨季限りで現役を引退したFW古橋達弥氏(40)だ。「おまえだったらもっと上でできる!」。かつてC大阪などで活躍し、J1通算139試合出場を誇る古橋氏。説得力が違った。「毎日、一緒にシュート練習しましたね」。見よう見まねでトラップ、シュート技術などを磨き、プロへの扉をこじ開けた。

 1メートル65と小柄ながら抜群のスピードとシュート力が武器。今では「長所は川崎Fでも通用する」と自信をのぞかせる。アマチュアからわずか2年で王者の一員に。“叩き上げ”の点取り屋が、破壊力抜群の攻撃陣に新風を吹かせる。 

 ◆遠野 大弥(とおの・だいや)1999年(平11)3月14日生まれ、静岡県出身の21歳。17年に藤枝明誠高からホンダFC入り。チーム得点王となった19年は、JFLベストイレブンにも選出。川崎Fに完全移籍した昨季は、そのままJ2福岡に期限付きで移籍して11得点。福岡のJ1昇格に大きく貢献した。川崎Fには今季から復帰。1メートル65、66キロ。利き足は右。

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